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理由で解く 理学療法士

QP53P073 運動学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問73
問題
安静時の呼吸運動で正しいのはどれか。
選択肢
1 呼気時に腹圧は上昇する。
2 吸気時に横隔膜は下降する。
3 呼気時に外肋間筋は収縮する。
4 吸気時に気道抵抗は上昇する。
5 胸郭下部は前後方向の動きが左右方向より大きい。
解答
正解2(吸気時に横隔膜は下降する。)
解説

安静吸気は横隔膜の収縮・下降と外肋間筋の収縮による能動的過程。安静呼気は弾性による受動的過程で腹圧は下降する。

安静時の吸気では横隔膜が収縮して下方(腹側)へ下降し、外肋間筋が収縮して胸郭を挙上することで胸腔容積が増大し、胸腔内が陰圧となって空気が流入する。したがって『吸気時に横隔膜は下降する』が正しい。安静呼気は肺・胸郭の弾性復元力による受動的過程で、筋は基本的に弛緩し、横隔膜が上昇して腹腔内容が戻るため腹圧はむしろ低下する。気道は吸気時に胸腔内陰圧で拡張し気道抵抗はやや低下する。胸郭下部(下位肋骨)はバケツの柄運動により左右(横径)方向の動きが大きい(バケツハンドル運動)ため、選択肢5は逆である。

✗ 1. 誤り
呼気時に腹圧は上昇する。
安静呼気は受動的で横隔膜は弛緩・上昇し腹圧は低下する
✓ 2. 正しい
吸気時に横隔膜は下降する。
横隔膜収縮で下降し胸腔を拡大、安静吸気の主役
✗ 3. 誤り
呼気時に外肋間筋は収縮する。
外肋間筋は吸気筋。呼気は受動的で外肋間筋は弛緩
✗ 4. 誤り
吸気時に気道抵抗は上昇する。
胸腔内陰圧で気道は拡張し抵抗はむしろ低下する
✗ 5. 誤り
胸郭下部は前後方向の動きが左右方向より大きい。
下部はバケツ柄運動で左右方向の動きが大きい
ポイント
  • 安静吸気=能動的(横隔膜下降+外肋間筋収縮)
  • 安静呼気=受動的(弾性復元)
  • 上部肋骨=ポンプ柄運動(前後)、下部肋骨=バケツ柄運動(左右)
比較表
安静呼吸の吸気と呼気
項目吸気呼気
過程能動的(筋収縮)受動的(弾性)
横隔膜収縮・下降弛緩・上昇
外肋間筋収縮弛緩
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