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理由で解く 理学療法士

QP53P007 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問7
問題
45歳の男性。左大腿切断後。大腿義足を用いた歩行練習中、左立脚中期に過度の腰椎前弯が観察された。原因として正しいのはどれか。
選択肢
1 義足長が長過ぎる。
2 足継手の後方バンパーが弱過ぎる。
3 ソケットが前方に位置し過ぎている。
4 ソケットの初期屈曲角が不足している。
5 膝継手の摩擦が弱過ぎる。
解答
正解4(ソケットの初期屈曲角が不足している。)
解説

立脚中期の過度の腰椎前弯は、ソケットの初期屈曲角不足(や股関節屈曲拘縮)で生じる。股関節を十分伸展できず、腰椎前弯で代償する。

大腿義足ソケットには通常5°前後の初期屈曲角を付与し、断端の股関節伸展域と大殿筋の作用を確保する。この初期屈曲角が不足すると、立脚中期に股関節を十分に伸展できず、体幹を起こして重心を保とうとして腰椎を過度に前弯させて代償する。したがって左立脚中期の過度の腰椎前弯の原因はソケット初期屈曲角の不足である(同様の所見は股関節屈曲拘縮でも生じる)。

✗ 1. 誤り
義足長が長過ぎる。
立脚期の体幹側屈や遊脚期の分回し・伸び上がりを招く
✗ 2. 誤り
足継手の後方バンパーが弱過ぎる。
踵接地後に足部が急に底屈し、膝折れ傾向を招く
✗ 3. 誤り
ソケットが前方に位置し過ぎている。
荷重線が膝軸より後方となり膝が不安定・膝折れ傾向
✓ 4. 正しい
ソケットの初期屈曲角が不足している。
股関節伸展不足を腰椎前弯で代償し、立脚中期の過度の前弯を生じる
✗ 5. 誤り
膝継手の摩擦が弱過ぎる。
遊脚期に下腿が過度に振り出されターミナルインパクトを生じる
ポイント
  • ソケット初期屈曲角不足→立脚中期の腰椎過前弯
  • 股関節屈曲拘縮でも同様の前弯が出る
  • 義足長・足継手・膝継手の不適合は別の異常歩行を招く
比較表
大腿義足の異常歩行と主な原因(例)
異常歩行主な原因
立脚中期の過度の腰椎前弯ソケット初期屈曲角不足・股関節屈曲拘縮
立脚期の体幹側屈義足が長い・ソケット外壁不適合・外転筋力低下
遊脚期の分回し義足が長い・膝の遊びが少ない・懸垂不良
ターミナルインパクト膝継手の摩擦・伸展補助が弱い
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