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理由で解く 理学療法士

QP53A084 リハビリテーション医学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問84
問題
脊髄損傷の機能残存レベルと可能な動作の組合せで正しいのはどれか。ただし、機能残存レベルより下位は完全麻痺とする。
選択肢
1 C4 ― 万能カフを用いた食事
2 C5 ― 前方移乗
3 C6 ― 橈側-手掌握り
4 C7 ― 更衣
5 C8 ― 長下肢装具での歩行
解答
正解4(C7 ― 更衣)
解説

C7は上腕三頭筋が機能し肘伸展・プッシュアップが可能となり、移乗・更衣などADLの多くが自立に近づく。

脊髄損傷では残存する髄節の支配筋からADL能力を推定する。C4は横隔膜以外の上肢筋がほぼ働かず、自助具食事も困難(電動車椅子・呼吸補助が中心)。C5は三角筋・上腕二頭筋が働き万能カフでの食事は可能だが、肘伸展・手関節・手指がなく前方移乗は困難。C6は手関節背屈(ECR)が働きテノデーシス作用でつまみ・把持を代償するが、随意的な橈側手掌握りは困難。C7は上腕三頭筋が機能して肘を伸ばしプッシュアップができ、移乗・更衣が可能になる。C8は手指屈筋が働き上肢ADLは自立するが、体幹・下肢は完全麻痺で長下肢装具歩行は非現実的。よってC7-更衣が正しい。

✗ 1. 誤り
C4 ― 万能カフを用いた食事
C4は上肢筋がほぼ機能せず自助具食事は困難、万能カフ食事はC5レベル
✗ 2. 誤り
C5 ― 前方移乗
C5は肘伸展・プッシュアップ不可で移乗は困難、移乗はC7で自立に近づく
✗ 3. 誤り
C6 ― 橈側-手掌握り
C6はテノデーシスによる代償的把持で、随意的な橈側手掌握りは成立しにくい
✓ 4. 正しい
C7 ― 更衣
上腕三頭筋機能によりプッシュアップ・移乗が可能となり更衣もできる
✗ 5. 誤り
C8 ― 長下肢装具での歩行
C8は上肢ADL自立だが下肢完全麻痺で長下肢装具歩行は非現実的
ポイント
  • C5=三角筋/上腕二頭筋→万能カフで食事
  • C6=手関節背屈→テノデーシス把持
  • C7=上腕三頭筋→肘伸展・プッシュアップ→移乗・更衣・ADL拡大
  • C8=手指屈筋→上肢ADL自立
比較表
頸髄損傷レベルと残存機能・可能動作
レベル主な残存筋可能な動作
C4横隔膜・僧帽筋電動車椅子操作、呼吸自立
C5三角筋・上腕二頭筋万能カフで食事
C6手関節背屈筋(ECR)テノデーシス把持、自助具でADL一部
C7上腕三頭筋プッシュアップ・移乗・更衣
C8手指屈筋上肢ADLほぼ自立
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