学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53A019

理由で解く 理学療法士

QP53A019 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問19
問題
生後4か月の乳児。健診で股関節の異常を指摘された。来院時に右股関節の開排制限を認めたため、股関節のエックス線単純検査を行った。股関節の図を示す。臼蓋角はどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
5 e
解答
正解5(5)
解説

臼蓋角は、左右の三放射軟骨を結ぶ水平線(Hilgenreiner線)と臼蓋の傾きを表す線とがなす角である。図の中でこれに当たるのはeだけである。

臼蓋角(acetabular index)は、左右の三放射軟骨の中心を結ぶ水平線を基準にとる。その水平線と、臼蓋の内下端から臼蓋外側縁へ引いた臼蓋傾斜線とがなす角が臼蓋角である。図eは骨盤を横切る1本の水平線と臼蓋の傾きに沿った線とがつくる角を示しており、この定義にそのまま一致する。aとdはいずれも大腿骨の骨幹軸と頸部側の線とがつくる角を示したもので、骨盤側の臼蓋の傾きをまったく測っていない。bは水平線に立てた垂線と、大腿骨頭中心から臼蓋外側縁へ引いた線とがなす角、すなわちCE角(Wiberg角)である。cは臼蓋外側縁で交わる2本の斜線がなす角で、水平の基準線を用いていないため臼蓋角ではない。臼蓋角は乳児でおよそ30°以下が正常で、成長とともに小さくなり、発育性股関節形成不全(DDH)では臼蓋の傾きが急になって角が大きくなる。乳児の股関節エックス線では、まずこの角を測って臼蓋形成不全の有無をみる。

✗ 1. 誤り
a
大腿骨の骨幹軸と頸部の軸がなす角(頸体角)で、臼蓋の傾きは測っていない
✗ 2. 誤り
b
水平線に立てた垂線と骨頭中心から臼蓋外側縁への線がなす角、すなわちCE角
✗ 3. 誤り
c
臼蓋外側縁で交わる2本の斜線がなす角。水平の基準線がなく臼蓋角ではない
✗ 4. 誤り
d
大腿骨骨幹軸と頸部側の線がなす角で、骨盤側の臼蓋の傾きとは無関係
✓ 5. 正しい
e
三放射軟骨を結ぶ水平線と臼蓋傾斜線がなす角。これが臼蓋角である
ポイント
  • 臼蓋角=Hilgenreiner線(Y-Y線)と臼蓋辺縁線のなす角
  • 大きいほど臼蓋形成不全(DDH)を示唆
  • 新生児で約30度、成長で減少
  • Perkins線・Shenton線と区別する
比較表
乳児股関節エックス線の評価線
評価線・角内容
Hilgenreiner線(Y-Y線)両側Y軟骨を結ぶ水平基準線
臼蓋角(α角)Y-Y線と臼蓋辺縁線のなす角
Perkins線臼蓋外縁からの垂線、大腿骨頭核の位置評価
Shenton線閉鎖孔上縁と大腿骨頸部内縁の連続性
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