学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53A018

理由で解く 理学療法士

QP53A018 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問18
問題
55歳の男性。トラックの荷台(2m)から転落して受傷した。来院時の足関節エックス線単純写真(図A)及び冠状断CTとCTの模式図(図B)を図に示す。保存的に加療したとき、今後最も起こりやすい合併症はどれか。
図
選択肢
1 凹足
2 踵足
3 内反尖足
4 変形性関節症
5 無腐性骨壊死
解答
正解4(変形性関節症)
解説

高所転落による踵骨関節内骨折(距骨下関節面の乱れ)を保存治療した後は、距骨下関節の変形性関節症が最も起こりやすい。

2mの高所(トラック荷台)から転落し足部から着地したことによる軸圧で踵骨骨折を生じた症例。冠状断CTと模式図では、上から脛骨・腓骨(足関節の天蓋)、その下に距骨、最下部に踵骨が示され、踵骨は粉砕して距骨との間の距骨下関節の関節面が乱れている(関節内骨折)。踵骨の関節内骨折を保存的に加療すると、関節面の不整・段差が残存しやすく、距骨下関節の変形性関節症が最も起こりやすい合併症となる。凹足・踵足・内反尖足はいずれも麻痺や拘縮に起因する足部変形で本骨折の典型合併症ではなく、無腐性骨壊死は距骨(特に頸部)骨折後の距骨体部で問題となるもので、主病変が踵骨である本例には当てはまらない。したがって公式正答[4]変形性関節症が画像所見と整合する。

✗ 1. 誤り
凹足
足の縦アーチが異常に高くなる変形。踵骨関節内骨折の保存治療後に最も起こりやすい合併症ではない
✗ 2. 誤り
踵足
足関節が背屈位に固定される変形で、下腿三頭筋麻痺などが原因。本骨折の典型的合併症ではない
✗ 3. 誤り
内反尖足
足が内反・底屈位に拘縮する変形で中枢神経障害などでみられる。本骨折の合併症として典型的でない
✓ 4. 正しい
変形性関節症
冠状断CTで踵骨は粉砕し距骨下関節面が乱れており、関節内骨折後に関節面の不整が残存して距骨下関節の変形性関節症が最も起こりやすい
✗ 5. 誤り
無腐性骨壊死
血行障害による骨壊死で、距骨頸部骨折後の距骨体部などに生じる。本例の主病変は踵骨であり最も起こりやすい合併症ではない
ポイント
  • 高所からの踵着地→関節内踵骨骨折
  • 後距踵関節面の不整→外傷後変形性関節症
  • 踵骨は血行豊富で骨壊死は稀
  • 距骨(頸部)は骨壊死のリスクが高い(区別)
比較表
足部骨折と特徴的合併症
骨折起こりやすい合併症
踵骨骨折(関節内)距骨下関節の変形性関節症
距骨頸部骨折無腐性骨壊死
足関節果部骨折変形性足関節症
中足骨疲労骨折遷延治癒・偽関節
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