学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QP52P013
理由で解く 理学療法士

強い底屈痙縮と足関節位置覚障害があり、立脚中期に膝折れを認める例である。足継手の制動角度を調整できる両側金属支柱付き短下肢装具が最適となる。
右下腿三頭筋のMAS 2は底屈筋の痙縮が強いことを示し、踵接地がみられないのは尖足傾向のあらわれである。一方、立脚中期の膝折れは下腿が前へ倒れすぎて膝屈曲モーメントが大きくなるために起こる。したがって装具には、底屈を止めて尖足を防ぐことと、背屈を制限して下腿の前傾を抑え膝伸展モーメントを作ることの両方が求められる。図3の両側金属支柱付き短下肢装具は足継手で底屈と背屈の制動角度をそれぞれ設定でき、金属支柱の剛性で強い痙縮にも対抗できるため、この二つの要求を同時に満たせる。さらに下腿を全周性に覆わないので、足関節の位置覚が低下した本例でも装着部の皮膚感覚が保たれ、装具内で下肢がずれても気づきやすい。プラスチック製の短下肢装具は軽量だが、装着後の角度の再調整が難しく、強い痙縮ではたわんで制動が破綻しやすい。長下肢装具は膝継手で膝を直接固定できるものの、本例の膝折れは足関節の制御で対応でき、Brunnstrom法ステージIIIで平行棒内歩行が進んでいる段階には固定が過剰である。以上より最も適切な装具は3である。
| 装具 | 適応・特徴 |
|---|---|
| 両側金属支柱付き短下肢装具 | 底屈制動で尖足防止、剛性が高く膝折れ・痙縮に対応 |
| プラスチック短下肢装具 | 軽量・軽度〜中等度の下垂足向け、制動力は劣る |
| 長下肢装具 | 重度の膝折れ・支持性低下例で膝も制御 |
| オルトップ等たわみ型 | 軽度下垂足の背屈補助、痙縮強い例には不向き |
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