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理由で解く 理学療法士

QP52P010 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午後 問10
問題
10歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィー。独歩不可能で、屋外は車椅子で、室内では四つ這い移動が可能。上肢に拘縮はなく、座位で上肢の使用が可能である。この時期に優先して行うべき評価はどれか。
選択肢
1 知能検査
2 深部腱反射
3 神経伝導速度
4 呼吸機能検査
5 前腕回内外試験
解答
正解4(呼吸機能検査)
解説

歩行を失った時期以降のDMDでは呼吸筋筋力の低下による拘束性換気障害が進行するため、呼吸機能検査(%肺活量など)の定期評価が優先される。

Duchenne型筋ジストロフィーは進行性の筋疾患で、歩行喪失(独歩不能・車椅子移動)の時期になると体幹・呼吸筋の筋力低下が顕在化し、拘束性換気障害や側弯の進行、心筋障害が問題となる。特に呼吸筋筋力低下による肺活量の低下は生命予後に直結するため、%肺活量などの呼吸機能検査を定期的に行い、換気補助(NPPV)導入の時期を判断することがこの時期の評価の優先事項である。神経伝導速度は末梢神経の評価で、筋原性疾患であるDMDでは正常であり有用でない。深部腱反射や前腕回内外試験、知能検査はこの時期に“優先して”行う評価とはいえない。病期(歩行喪失後)に応じてリスクの高い機能(ここでは呼吸機能)を優先的に評価するという臨床判断が問われている。

✗ 1. 誤り
知能検査
DMDで知的障害を伴うことはあるが、この病期で優先すべき評価ではない
✗ 2. 誤り
深部腱反射
筋力低下で低下するが病態把握・予後管理の優先評価ではない
✗ 3. 誤り
神経伝導速度
筋原性疾患であるDMDでは正常で診断・管理に有用でない
✓ 4. 正しい
呼吸機能検査
歩行喪失期以降は呼吸筋低下による拘束性換気障害が進行し、%肺活量等の定期評価が最優先
✗ 5. 誤り
前腕回内外試験
この病期で優先して行うべき評価ではない
ポイント
  • DMDは筋原性疾患→神経伝導速度は正常
  • 歩行喪失期以降は呼吸筋低下による拘束性換気障害が進行
  • %肺活量などの呼吸機能検査でNPPV導入時期を判断
比較表
DMDの病期と主な評価・管理の焦点
病期主な焦点
歩行可能期下肢筋力・関節可動域・歩行能力の維持
歩行喪失期(車椅子)呼吸機能・側弯・心機能の評価と管理
進行期呼吸補助(NPPV)・心不全管理・栄養
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