学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第11章 ▸ 実地 / QP52P004
理由で解く 理学療法士

股関節の内転制限は歩隔(歩行時の左右の足間距離)を増加させる。歩幅(前後距離)は屈曲・伸展可動域に依存し、本症例は屈曲50°・伸展15°と歩行に十分なため歩幅は減少しない——「歩隔=内転(前額面)」「歩幅=屈曲伸展(矢状面)」の対応で選択肢を切り分ける。
正常股関節可動域(屈曲125°・伸展15°・外転45°・内転20°)と比較すると、本症例は屈曲50°で大きく制限される一方、伸展15°は正常、外転35°は軽度制限、内転は−10°で、正中を越えて内転できない(10°の外転位までしか戻せず内転可動域が失われている)。快適速度の直線歩行に必要な矢状面可動域は屈曲約30°・伸展約10〜15°であり、本症例は屈曲・伸展とも歩行に十分なため右の歩幅は減少しない。一方、遊脚後期から接地・立脚にかけては下肢を身体正中へ引き寄せる(内転方向へ動く)必要があるが、内転が制限されているため右下肢を正中に近づけられず、正常より外方に接地する。この結果、左右の足の間隔である歩隔が増大する。したがって予想される特徴は「歩隔の増加」であり、公式正答[1]と一致する。歩隔(左右幅)は内転制限、歩幅(前後距離)は屈曲・伸展制限で変化するという対応関係を押さえることが判別の要点である。
| 制限方向 | 歩行への影響 |
|---|---|
| 内転制限 | 歩隔(歩行基底)の増加 |
| 屈曲制限 | 遊脚期の振り出し・歩幅の減少 |
| 伸展制限 | 立脚後期の trailing limb 不足・歩幅減少 |
| 外転制限 | 遊脚肢の側方クリアランス低下 |
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