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理由で解く 理学療法士

QP52P003 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午後 問3
問題
患者の股関節部エックス線写真を図に示す。大腿骨および下腿骨に骨折はなく、膝関節の変形や可動域制限はない。右大腿長44.0cm、両側の下腿長35.5cm、右下肢の棘果長83.0cmであった。左下肢の肢長検査で正しいのはどれか。(棘果長/転子果長)
図
選択肢
1 棘果長81.0cm/転子果長79.5cm
2 棘果長81.0cm/転子果長78.5cm
3 棘果長81.0cm/転子果長77.5cm
4 棘果長83.0cm/転子果長79.5cm
5 棘果長83.0cm/転子果長77.5cm
解答
正解1(棘果長81.0cm/転子果長79.5cm)
解説

転子果長(=大腿長+下腿長)は左右同じで骨幹部は正常、棘果長のみ左が短い=短縮部位は大転子より近位の股関節(骨頭・頸部変形/内反股)であり、左は棘果長81.0cm/転子果長79.5cmとなる。

エックス線写真は骨盤・両股関節を写し、両側とも大腿骨頭の扁平化・頸部短縮による内反股様変形と大転子高位を認め、大腿骨骨幹部に骨折・変形はない。すなわち脚長差の原因は大転子より近位(股関節部)にある。ここで、転子果長(大転子〜外果)=大腿長+下腿長である。右は大腿長44.0+下腿長35.5=79.5cm。左は大腿骨骨幹部が正常で骨折なく、下腿長も左右同一(35.5)であるため大腿長も右と同じ44.0とみなせ、左の転子果長も44.0+35.5=79.5cmとなる(転子以下は左右差なし)。一方、棘果長(上前腸骨棘〜内果)は股関節部の変形の影響を受け、右83.0cmに対し左は短縮する。棘果長と転子果長の差(右3.5cm)が左では小さくなることが股関節部短縮を示す。以上より左は棘果長81.0cm/転子果長79.5cmが正しい。棘果長のみが左右で異なり転子果長が同じ=短縮部位が大転子より近位(股関節)という所見が、X線の骨頭・頸部変形と合致する。

✓ 1. 正しい
棘果長81.0cm/転子果長79.5cm
転子果長=大腿長44.0+下腿長35.5=79.5cmで右と同じ。X線で大腿骨骨幹部は正常(骨折なし)、下腿長も左右等しいので転子以下の骨長は左右差なし。棘果長のみ右83.0より短い81.0cmで、短縮は大転子より近位=X線が示す左股関節の骨頭・頸部変形(内反股)に一致
✗ 2. 誤り
棘果長81.0cm/転子果長78.5cm
転子果長が右より1cm短く、大腿骨または下腿骨(転子以下)の短縮を意味するが、下腿長は左右35.5で同一・骨幹部に変形なしのため矛盾
✗ 3. 誤り
棘果長81.0cm/転子果長77.5cm
転子果長が右より2cm短く、転子以下の骨短縮が必要だがX線・計測値と矛盾
✗ 4. 誤り
棘果長83.0cm/転子果長79.5cm
棘果長が右と同値で股関節部の短縮=左右差がないことになり、X線の左股関節変形と矛盾
✗ 5. 誤り
棘果長83.0cm/転子果長77.5cm
股関節部の短縮なし+転子以下の短縮という二重の誤りでX線・計測値と矛盾
ポイント
  • 棘果長(SMD)=ASIS〜内果:股関節レベルの異常を反映
  • 転子果長(TMD)=大転子〜外果:大転子より遠位の骨長のみ反映
  • 転子果長=大腿長+下腿長=44.0+35.5=79.5cm(左右同一)
  • 股関節病変では棘果長で左右差が出るが転子果長では出ない
比較表
脚長測定法の基準点と反映する範囲
測定法基準点影響を受ける病変レベル
棘果長(SMD)上前腸骨棘〜内果股関節を含む下肢全体
転子果長(TMD)大転子〜外果大転子より遠位(大腿・下腿骨)のみ
大腿長大転子〜膝関節外側裂隙大腿骨
下腿長膝関節裂隙〜外果下腿骨
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