学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP52A020

理由で解く 理学療法士

QP52A020 理学療法治療学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問20
問題
2歳の女児。痙直型四肢麻痺。臥位では頭部コントロール良好で、背臥位から腹臥位への寝返りが可能である。背臥位と腹臥位での様子を図に示す。この時期に優先して行う理学療法で最も適切なのはどれか。
図
選択肢
1 下肢の筋力増強
2 介助下での歩行練習
3 椅子からの立ち上がり練習
4 立位での陽性支持反射の促通
5 座位での体幹の立ち直り反応の促通
解答
正解5(座位での体幹の立ち直り反応の促通)
解説

図が示す定頸・寝返り獲得段階の次の発達課題は座位であり、座位での体幹の立ち直り反応の促通が最優先となる。

図は小児の背臥位(上図)と腹臥位(下図)の様子を示す。上図では頭部を挙上・保持し、下図では両前腕で支持して頭部・胸部を床から持ち上げ(on elbows)、いずれの姿勢でも良好な頭部コントロールを示している。これは定頸および寝返り(背臥位→腹臥位)を獲得した発達段階に相当し、正常発達では次に座位の獲得へと進む時期にあたる。したがって、この時期に優先すべき理学療法は座位での体幹の立ち直り反応の促通であり、正答は5。歩行練習(2)・椅子からの立ち上がり(3)・立位での陽性支持反射の促通(4)は、いずれも座位も未獲得のこの段階では時期尚早で、特に陽性支持反射は原始反射であり促通は不適切。下肢の筋力増強(1)は痙直型四肢麻痺のこの発達段階における最優先課題ではない。図が示す運動発達レベル(臥位・寝返り獲得)から次の課題である座位への橋渡しを行う選択肢5が最も適切である。

✗ 1. 誤り
下肢の筋力増強
図は臥位・寝返り獲得段階を示し、この時期の痙直型四肢麻痺で最優先すべきは姿勢制御であって末梢の筋力増強ではない
✗ 2. 誤り
介助下での歩行練習
図の発達段階では座位も未獲得であり、歩行練習は時期尚早
✗ 3. 誤り
椅子からの立ち上がり練習
立ち上がりは座位保持の獲得が前提で、臥位段階を示す本図の時期には早すぎる
✗ 4. 誤り
立位での陽性支持反射の促通
陽性支持反射は原始反射で促通の対象ではなく(むしろ抑制が課題)、立位自体も時期尚早
✓ 5. 正しい
座位での体幹の立ち直り反応の促通
図は定頸・寝返り(背臥位→腹臥位)を獲得した段階を示し、正常発達で次に進む課題が座位であるため、座位での体幹立ち直り反応の促通が最優先
ポイント
  • 発達順序:頭部制御→寝返り→座位→立位→歩行
  • 寝返り獲得後は座位(立ち直り反応)を促す
  • 陽性支持反射の促通は異常パターンを助長し禁忌
比較表
粗大運動の発達順序と獲得の目安
段階獲得内容
頸定頭部コントロール
寝返り背臥位⇔腹臥位
座位体幹の立ち直り反応で保持
立位・歩行抗重力での支持・移動
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