
この図の解説
図の右上の分数式に注目しよう。クリアランスとは「腎臓が1分間に何mLの血漿から、ある物質Sを完全に除去できるか」を示す値で、(Sの尿中濃度×尿量)÷Sの血漿濃度で求める。表を上から見ると、物質ごとに値が大きく違うのがわかる。ブドウ糖は0mL/分で、すべて近位尿細管で再吸収されるため尿には出ず、腎臓は血漿から取り除いていない。Na⁺は2.5、尿素は70と、再吸収される物質ほどクリアランスは小さい。逆にクレアチニンは120で「濾過のみ」を受けるため糸球体濾過量〈GFR〉の指標に、パラアミノ馬尿酸〈PAH〉は650で「濾過+分泌」によりほぼ全量が除去されるため腎血漿流量〈RPF〉の指標に使われる。値の大小が「再吸収されるか・分泌されるか」を映す鏡になっている点が図の要である。
学習の要点
- クリアランス=腎臓が1分間に清掃(クリア)できる血漿量。(尿中濃度×尿量)÷血漿濃度で算出する
- 覚え方のコツ: 「再吸収されるほど値は小さく、分泌されるほど値は大きい」。ブドウ糖0→Na⁺2.5→尿素70→クレアチニン120→PAH650の順に大きくなる
- 関連知識: クレアチニンは濾過のみで再吸収も分泌もほぼ受けないため、その値がそのままGFRの目安になる。PAHは濾過に加えて尿細管から分泌され、ほぼ全量除去されるのでRPFの目安になる
- よくある間違い: クリアランスが大きいほど「体に有用」と思いがちだが逆。ブドウ糖のように有用な物質はすべて再吸収されクリアランスは0になる
- 臨床応用: クレアチニン・クリアランスの低下は糸球体濾過機能の低下=腎機能低下を意味し、腎疾患の評価に用いられる
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
物質Sのクリアランス(mL/分)=(Sの尿中濃度×尿量)÷( )である。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: Sの血漿濃度
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。