学習トップ理由で解く 看護師国試第10章 ▸ 状況設定 / Q115A093

理由で解く 看護師国試

Q115A093 在宅看護論

出典:第115回看護師国家試験(2026)午前 問93
問題
Aさん(80歳、男性、要介護2)は1人で暮らしている。脳出血を発症し、急性期病院で地域連携クリニカルパスに沿って治療が行われた。軽度の右不全麻痺と失語があるため、回復期リハビリテーション病院に転院した。Aさんは自宅退院を希望している。退院後はかかりつけの診療所へ通院し、訪問看護と訪問介護を利用する予定である。
退院2か月後、訪問看護師が訪問するとAさんの長男から「最近、父がよく話してくれるようになったが、言いたいことが伝わらずイライラしていることがある。どう対応していいかわからない」と相談があった。Aさんとのコミュニケーションについて、家族への助言で適切なのはどれか。
選択肢
1 「Aさんに何度も聞き返しましょう」
2 「Aさんが言い間違えたときは訂正しましょう」
3 「Aさんに短くわかりやすい言葉で話しかけましょう」
4 「Aさんの表情よりも言葉での表現を大事にしましょう」
解答
正解3(「Aさんに短くわかりやすい言葉で話しかけましょう」)
解説

失語のある人には、短く簡潔な言葉でゆっくり話しかけ、非言語的サインも活用する。聞き返しや訂正の繰り返しは自尊心を傷つけ意欲を低下させる。

Aさんは脳出血後の失語があり、「言いたいことが伝わらずイライラする」状態である。失語は言語の理解・表出の障害であり、聴力や知能の低下ではない。支援の原則は、①短く簡潔な文でゆっくり話す、②「はい・いいえ」で答えられる閉じた質問を活用する、③ジェスチャー・表情・絵や文字など非言語的手段も併用する、④誤りをいちいち訂正したり急かしたりしない、である。何度も聞き返す・言い間違いを訂正する対応は本人の焦りと挫折感を強め、コミュニケーション意欲を損なう。言葉での表現に固執せず表情などの非言語的表現も大切に汲み取ることが必要で、選択肢3が適切な助言となる。

✗ 1. 誤り
「Aさんに何度も聞き返しましょう」
本人の焦燥感・自尊心の低下を招き、話す意欲を失わせる
✗ 2. 誤り
「Aさんが言い間違えたときは訂正しましょう」
錯語は失語の症状であり、訂正の繰り返しは心理的負担となる。意味が汲み取れれば訂正せず会話を続ける
✓ 3. 正しい
「Aさんに短くわかりやすい言葉で話しかけましょう」
理解の負担を減らし伝わりやすくなる。失語者への対応の基本原則
✗ 4. 誤り
「Aさんの表情よりも言葉での表現を大事にしましょう」
言語表出が障害されているからこそ、表情・ジェスチャーなど非言語的表現を重視して意思を汲み取る
ポイント
  • 失語=言語機能の障害であり、聴力・知能の障害ではない
  • 短い文・ゆっくり・閉じた質問(はい/いいえ)・非言語的手段の併用が基本
  • 訂正や先回りは避け、本人のペースを尊重する
  • 構音障害(発音の障害)との違いを整理しておく
比較表
失語症者とのコミュニケーションの工夫
推奨される対応避けるべき対応
短く簡潔な文でゆっくり話す長く複雑な説明を一度にする
はい/いいえで答えられる質問を使う開かれた質問ばかりで負担をかける
絵・文字・ジェスチャーを併用する言葉だけに頼る
誤りを受け流し意図を汲む言い間違いを逐一訂正する・急かす
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 看護師国試
App Store入手