学習トップ理由で解く 看護師国試第8章 ▸ 一般 / Q115A089

理由で解く 看護師国試

Q115A089 母性看護学

出典:第115回看護師国家試験(2026)午前 問89
問題
常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 経産婦
2 妊娠糖尿病
3 帝王切開術の既往
4 妊娠高血圧症候群
5 常位胎盤早期剝離の既往
解答
正解4(妊娠高血圧症候群)、5(常位胎盤早期剝離の既往)
解説

常位胎盤早期剝離の二大リスク因子は妊娠高血圧症候群と早剝の既往。血管病変と反復性がキーワード。

常位胎盤早期剝離は、正常位置に付着した胎盤が胎児娩出前に子宮壁から剝がれる産科救急疾患である。発症機序として脱落膜の血管病変(らせん動脈の攣縮・虚血)による胎盤床の出血が想定されるため、血管障害を基盤とする妊娠高血圧症候群は最も重要なリスク因子となる。また一度早剝を起こした妊婦は次回妊娠での再発率が明らかに高く(約10倍とされる)、既往歴も強いリスク因子である。ほかに外傷(腹部打撲)、喫煙、絨毛膜羊膜炎、急激な子宮内圧の低下(羊水過多の破水など)もリスクとされる。

✗ 1. 誤り
経産婦
経産自体は早剝の確立したリスク因子ではない。前置胎盤のリスク因子(経産・帝王切開既往)との混同に注意
✗ 2. 誤り
妊娠糖尿病
血糖異常は巨大児や肩甲難産等と関連するが、早剝の主要なリスク因子ではない
✗ 3. 誤り
帝王切開術の既往
前置胎盤や癒着胎盤、子宮破裂のリスク因子であり、早剝の代表的リスク因子ではない
✓ 4. 正しい
妊娠高血圧症候群
胎盤床の血管病変を介して早剝を起こしやすく、最も重要なリスク因子
✓ 5. 正しい
常位胎盤早期剝離の既往
既往があると再発リスクが著明に上昇する
ポイント
  • 早剝のリスク=妊娠高血圧症候群・早剝既往・外傷・喫煙・絨毛膜羊膜炎
  • 前置胎盤のリスク(経産・帝王切開既往・高年)と区別して覚える
  • 早剝の症状:持続的な腹痛・板状硬の子宮・性器出血(内出血が主で外出血は少ないこともある)
比較表
常位胎盤早期剝離と前置胎盤の対比
項目常位胎盤早期剝離前置胎盤
主なリスク因子妊娠高血圧症候群・早剝既往・外傷・喫煙帝王切開既往・経産・高年・多胎
腹痛持続的で強い(子宮は板状硬)原則なし(無痛性)
出血内出血が主体で外出血は量と重症度が一致しない警告出血など反復する外出血
胎児への影響急速に胎児機能不全へ進行出血量に応じて影響
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