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理由で解く 看護師国試

Q113A103 小児看護学

出典:第113回看護師国家試験(2024)午前 問103
問題
Aちゃんは出生前診断で羊水過多があり先天性食道閉鎖症の疑いを指摘されていた。在胎37週5日に帝王切開で出生、出生体重2,780g、ApgarVアプガー〉スコア1分後8点、5分後9点である。出生後、Aちゃんは先天性食道閉鎖症と診断された。
出生直後のAちゃんにみられるのはどれか。
選択肢
1 腹部エックス線写真の鏡面像
2 口腔内の泡沫状唾液の流出
3 胆汁性の嘔吐
4 噴水状の嘔吐
解答
正解2(口腔内の泡沫状唾液の流出)
解説

食道閉鎖症では上部食道が盲端のため唾液を嚥下できず、口腔内に泡沫状(あわ状)の唾液があふれ出るのが出生直後からの特徴的所見。

先天性食道閉鎖症は食道が途中で途切れる先天奇形で、最多のGross C型(約85%)では上部食道が盲端、下部食道が気管と瘻孔でつながる。上部食道が盲端であるため児は唾液を胃へ嚥下できず、出生直後から口腔・鼻腔に泡沫状の唾液が絶えず流出する。胎児期には羊水を嚥下できないため羊水過多となり、Aちゃんの出生前所見とも一致する。哺乳させるとむせ・チアノーゼ・誤嚥を起こすため、疑ったら哺乳前にカテーテルの胃内挿入可否で確認する。嘔吐系の症状は胃内容が食道へ逆流して起こるものであり、そもそもミルクが胃に到達しない本疾患の初発症状としては合わない。

✗ 1. 誤り
腹部エックス線写真の鏡面像
鏡面像(ニボー)は腸閉塞・イレウスの所見。食道閉鎖症ではコイルアップした胃管や(瘻孔の有無による)腹部ガス像が診断の手がかりとなる
✓ 2. 正しい
口腔内の泡沫状唾液の流出
上部食道盲端のため唾液を嚥下できず、出生直後から泡沫状唾液が口腔にあふれる特徴的所見
✗ 3. 誤り
胆汁性の嘔吐
胆汁性嘔吐はファーター乳頭より肛門側の閉塞(十二指腸閉鎖など)を示唆する。食道閉鎖では胃内容自体が口まで到達しない
✗ 4. 誤り
噴水状の嘔吐
噴水状嘔吐は肥厚性幽門狭窄症の特徴で、生後2〜3週ころに発症する。出生直後の食道閉鎖の所見ではない
ポイント
  • 食道閉鎖症=羊水過多(胎児が羊水を嚥下できない)+出生直後の泡沫状唾液
  • Gross C型(上部盲端+下部気管食道瘻)が約85%と最多
  • 哺乳前に胃管挿入で確認。哺乳させると誤嚥・チアノーゼの危険
比較表
新生児・乳児の消化管疾患と特徴的症状
疾患特徴的な症状・所見発症時期
先天性食道閉鎖症泡沫状唾液、羊水過多、胃管が挿入できない出生直後
十二指腸閉鎖症胆汁性嘔吐、ダブルバブルサイン出生後早期
肥厚性幽門狭窄症噴水状嘔吐(非胆汁性)生後2〜3週
腸閉塞・イレウス腹部膨満、鏡面像(ニボー)原因による
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