
この図の解説
この図は、視床下部が内部環境(ホメオスタシス)をどのように保つかを、体温・血糖・水分の3系統について「受容器→中枢→遠心路→効果器→反応」の順に整理した一覧である。まず中枢欄に注目したい。同じ調節でも方向によって担当核が分かれる。体温低下では後視床下野、体温上昇では前視床下野、血糖低下では外側野(摂食中枢)、血糖上昇では腹内側核(満腹中枢)が働く。遠心路の欄を右へ追うと、視床下部が自律神経・内分泌(下垂体)・体性神経の三経路を束ねて指令を出す統合中枢であることが読み取れる。下の断面図は、これら各核が視床下部内のどこに位置するかを色分けで示す。室傍核・視索上核はバソプレッシンを下垂体後葉へ送り、腎集合管での水分再吸収を担う。核の名前と役割を、上の表と下の図で対応させながら覚えるのがこのページの狙いである。
学習の要点
- 視床下部は自律神経系の最高中枢であり、体温調節中枢・摂食中枢などを備え、内部環境を一定に保つ(ホメオスタシス)統合中枢である。
- 覚え方のコツ:体温は「冷えたら後(後視床下野)、温もったら前(前視床下野)」、血糖は「下がれば外(外側野=食べる)、上がれば内(腹内側核=満腹)」。
- 関連知識:発汗を起こす汗腺への交感神経は、例外的にコリン作動性(アセチルコリン)。バソプレッシン(抗利尿ホルモン)は下垂体後葉から放出され、腎集合管で水を再吸収する。
- よくある間違い:摂食中枢(外側野)と満腹中枢(腹内側核)を逆に覚えやすい。「外で食べる、内で満腹」で区別する。
- 臨床応用:視床下部−下垂体後葉系の障害でバソプレッシン分泌が低下すると、水を再吸収できず多尿となる尿崩症を生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
体液量が減少したり血漿浸透圧が上昇すると、視索上核・室傍核から下垂体後葉を介して( )が分泌され、腎集合管での水分再吸収が高まって尿量が減少する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: バソプレッシン(抗利尿ホルモン)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。