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理由で解く 看護師国試

Q110P119 老年看護学

出典:第110回看護師国家試験(2021)午後 問119
問題
Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。バイタルサインは、体温37.5°C、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度zSpO2}98%(roomair!。検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 時計をAさんから見える場所に置く。
2 主治医にAさんの退院について相談する。
3 日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
4 点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
5 日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。
解答
正解1(時計をAさんから見える場所に置く。)、4(点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。)
解説

入院・脱水を契機とした夜間のせん妄には、時計で見当識を支援し、点滴ラインを視界から外して自己抜去や不穏の刺激を減らす対応が適切である。

Aさんは入院・環境変化・脱水などを誘因とした夜間せん妄をきたし、見当識障害と不穏、ライン自己抜去や転倒の危険がある。せん妄ケアでは、時計やカレンダーを見える位置に置いて時間・場所の見当識を支援し(リアリティオリエンテーション)、点滴ラインを視界に入れないようにして自己抜去や不安・興奮の刺激を減らすことが有効である。退院相談は治療中で時期尚早、スタッフステーションで過ごさせるのは刺激過多で不適切、日中にカーテンを閉めるのは昼夜のリズムを乱すため、いずれも誤りである。

✓ 1. 正しい
時計をAさんから見える場所に置く。
見当識を支援するリアリティオリエンテーションで、せん妄ケアとして適切
✗ 2. 誤り
主治医にAさんの退院について相談する。
脱水の治療中で時期尚早
✗ 3. 誤り
日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう:刺激過多で環境変化を増やし、せん妄を悪化させうる
✓ 4. 正しい
点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする:自己抜去や不穏の刺激を減らすため適切
✗ 5. 誤り
日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。
日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく:日中の採光を妨げ昼夜リズムを乱すため不適切
ポイント
  • せん妄は入院・環境変化・脱水などが誘因となる
  • 時計・カレンダーで見当識を支援する
  • 日中は光を取り入れ昼夜のリズムを整える
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