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理由で解く 看護師国試

Q110P116 在宅看護論

出典:第110回看護師国家試験(2021)午後 問116
問題
Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。
選択肢
1 傾眠傾向
2 眼の充血
3 口腔内の乾燥
4 食事摂取量の低下
解答
正解1(傾眠傾向)
解説

傾眠傾向は高炭酸ガス血症(CO2貯留)による換気不全の重要な徴候であり、緊急性が高いため最も注意が必要である。

Aさんは筋強直性ジストロフィーによる呼吸筋力低下で睡眠時無呼吸をきたし、傾眠傾向が著明となって入院・NPPV導入に至った経緯がある。傾眠傾向は肺胞低換気による二酸化炭素の貯留(高炭酸ガス血症・CO2ナルコーシス)を反映する意識レベル低下のサインで、換気不全の増悪を示す最も危険な徴候である。したがって日中に介護に入る担当者にこの変化への気づきと連絡を依頼することが重要となる。眼の充血・口腔内乾燥・食事摂取量の低下も観察は必要だが、生命に直結する緊急性は傾眠傾向より低い。

✓ 1. 正しい
傾眠傾向
高炭酸ガス血症・換気不全を示す危険な徴候で、緊急性が高く最も注意が必要
✗ 2. 誤り
眼の充血
緊急性は低く、換気状態の指標とはならない
✗ 3. 誤り
口腔内の乾燥
マスク送気などで生じうるが、生命に直結する緊急性は低い
✗ 4. 誤り
食事摂取量の低下
注意は要するが、換気不全ほどの緊急性はない
ポイント
  • 筋強直性ジストロフィーは呼吸筋障害で換気不全をきたす
  • 傾眠傾向=CO2貯留(高炭酸ガス血症)による意識障害のサイン
  • 多職種で状態変化の早期発見・連絡体制を整える
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