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理由で解く 看護師国試

Q110P114 精神看護学

出典:第110回看護師国家試験(2021)午後 問114
問題
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害と診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。
選択肢
1 警察
2 保健所
3 保護観察所
4 地域活動支援センター
解答
正解2(保健所) または 4(地域活動支援センター) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 2/4 のいずれを選んでも正解。

保健所は地域精神保健の中核機関であり、精神保健福祉相談・訪問指導・関係機関との連絡調整を担う退院後の連携先である。

Aさんは職場や近隣・家族とのトラブルを繰り返して再発・再入院を重ねており、退院後は地域での生活支援と再発予防のための継続的な相談・調整が必要である。保健所は地域精神保健福祉の第一線機関として、精神保健福祉相談、訪問指導、関係機関との連絡調整を行い、こうした地域生活支援の連携の中核となる。警察は治安維持、保護観察所は司法(医療観察法・保護観察)の機関で本事例には該当しない。地域活動支援センターは日中活動の場を提供する施設であり、退院に向けた地域連携の中核を担う機関とはいえない。

✗ 1. 誤り
警察
治安維持・犯罪対応の機関であり、退院支援の連携先ではない
✓ 2. 正しい
保健所
地域精神保健の中核機関で、相談・訪問指導・関係機関との連絡調整を担う退院後の連携先
✗ 3. 誤り
保護観察所
医療観察法対象者や保護観察を扱う司法機関で、本事例は対象外
✓ 4. 正しい
地域活動支援センター
日中活動や交流の場を提供する施設で、退院に向けた地域連携の中核機関ではない
ポイント
  • 保健所=地域精神保健福祉の第一線・中核機関
  • 精神保健福祉相談・訪問指導・関係機関との連絡調整を担う
  • 保護観察所は司法機関で医療観察法・保護観察の対象者を扱う
比較表
地域における精神保健関連機関の役割
機関主な役割
保健所地域精神保健の中核。相談・訪問指導・連絡調整
精神保健福祉センター専門的・技術的支援、複雑困難ケース対応
地域活動支援センター日中活動・交流・創作活動の場の提供
保護観察所医療観察法・保護観察など司法の処遇
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