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理由で解く 看護師国試

Q110P113 精神看護学

出典:第110回看護師国家試験(2021)午後 問113
問題
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害と診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院後1週、身体的拘束は解除された。Aさんは常に動き回り、他の患者への過干渉が続いている。食事中に立ち上がりホールから出ていこうとするため、看護師が止めると強い口調で言い返してくる。Aさんは「ゲーム関連の仕事を探したい。早く退院させろ」と1日に何度も看護師に訴えるが、主治医は退院を許可していない。Aさんへの対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 休息できる場所へ誘導する。
2 過干渉となる理由を確認する。
3 退院後は家族と暮らすように提案する。
4 仕事に必要なスキルについて話し合う。
解答
正解1(休息できる場所へ誘導する。)
解説

躁状態では活動過多で消耗しやすく、刺激を減らして休息できる環境へ誘導することが優先される。

双極性障害の躁状態では、多動・過干渉・易刺激性が強く、本人は疲労を自覚しないまま活動を続けて消耗する。この時期はまず刺激を減らし、静かで休息できる場所へ誘導して心身の消耗を防ぐことが基本的な看護である。過干渉の理由を問う、退院後の生活や仕事の計画を話し合うといった対応は、洞察が得られにくく退院許可も出ていない急性期には時期尚早で、かえって刺激や口論を増やしてしまう。

✓ 1. 正しい
休息できる場所へ誘導する。
躁状態の活動過多による消耗を防ぐため、刺激を減らし休息を促すのが最優先
✗ 2. 誤り
過干渉となる理由を確認する。
躁状態では自己洞察が乏しく、理由を問うても効果が乏しくむしろ刺激となる
✗ 3. 誤り
退院後は家族と暮らすように提案する。
本人の意向を無視した提案であり、退院許可も出ておらず時期尚早
✗ 4. 誤り
仕事に必要なスキルについて話し合う。
急性期で退院許可もない段階では時期尚早で、興奮を助長しうる
ポイント
  • 躁状態は多動・過干渉・易刺激性が特徴
  • 急性期は刺激を減らし休息を確保する
  • 退院や就労の具体的計画は状態が安定してから
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