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理由で解く 看護師国試

Q110A112 精神看護学

出典:第110回看護師国家試験(2021)午前 問112
問題
Aさん(19歳、男性)は、幼い頃から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けることが難しかった。学校からは精神科の受診を勧められていたが、受診することなく高校まで卒業した。卒業後は事務職として働きはじめたが、仕事上のトラブルで上司や同僚から叱責を受けたことをきっかけに、仕事を無断で休むことが多くなった。産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害〈ADHD〉と診断された。
職場でAさんにみられる可能性が高い行動はどれか。
選択肢
1 仕事中に突然意識を失って倒れる。
2 退勤時に戸締りの確認を繰り返す。
3 集中して仕事をすることができない。
4 状況にふさわしくない単語の発声を繰り返す。
解答
正解3(集中して仕事をすることができない。)
解説

ADHDの中核症状は不注意・多動性・衝動性。事務職の場面では「集中が続かない」という不注意症状が最も現れやすい。

Aさんは幼少期から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けられなかった経過からADHDと診断されている。ADHDの中核症状は不注意(注意の持続困難・忘れっぽさ・ケアレスミス)、多動性、衝動性であり、事務作業では「集中して仕事を続けられない」という不注意症状が最も高頻度にみられる。他の選択肢はいずれもADHDとは異なる疾患の症状に該当する。

✗ 1. 誤り
仕事中に突然意識を失って倒れる。
意識消失はてんかん発作や失神などを示唆し、ADHDの症状ではない
✗ 2. 誤り
退勤時に戸締りの確認を繰り返す。
確認行為の反復は強迫性障害(強迫観念・強迫行為)の特徴でADHDではない
✓ 3. 正しい
集中して仕事をすることができない。
注意の持続困難はADHDの不注意症状そのもので、可能性が高い
✗ 4. 誤り
状況にふさわしくない単語の発声を繰り返す。
不随意な発声反復は音声チック・トゥレット症の特徴でADHDの中核症状ではない
ポイント
  • ADHDの中核症状=不注意・多動性・衝動性
  • 確認の反復は強迫性障害、不随意発声はチックと鑑別する
  • 成人ADHDは不注意優勢型が職場で問題化しやすい
比較表
各行動と対応する疾患の鑑別
行動示唆される病態
集中が続かない・忘れ物ADHD(不注意)
確認・手洗いの反復強迫性障害
不随意な発声・運動の反復チック/トゥレット症
突然の意識消失・転倒てんかん・失神
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