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理由で解く 看護師国試

Q110A082 基礎看護学

出典:第110回看護師国家試験(2021)午前 問82
問題
感染徴候のない創部の治癒を促進する要因はどれか。
選択肢
1 圧迫
2 痂皮
3 湿潤
4 消毒
5 浮腫
解答
正解3(湿潤)
解説

感染のない創では、適度な湿潤環境〈moist wound healing〉が細胞遊走を助け上皮化を促進する。

現在の創傷管理では、感染徴候のない創を適度に湿潤に保つ湿潤環境下療法〈moist wound healing〉が推奨される。滲出液に含まれる成長因子や細胞が保たれ、表皮細胞や線維芽細胞が遊走・増殖しやすくなり、上皮化と肉芽形成が促進されるためである。したがって選択肢3の湿潤が正しい。過度の圧迫や浮腫は組織の血流・酸素供給を妨げ、痂皮(かさぶた)は表皮細胞の遊走を妨げて治癒を遅らせる。消毒薬は細菌だけでなく治癒に必要な線維芽細胞なども傷害するため、感染のない創にルーチンで用いるのは適切でない。

✗ 1. 誤り
圧迫
過度の圧迫は局所血流を妨げ組織を虚血に導き、治癒を遅らせる
✗ 2. 誤り
痂皮
かさぶたは表皮細胞の遊走を妨げ、瘢痕を残しやすくし上皮化を遅らせる
✓ 3. 正しい
湿潤
適度な湿潤環境は細胞遊走と上皮化を促進する〈moist wound healing〉
✗ 4. 誤り
消毒
消毒薬は線維芽細胞など治癒に必要な細胞も傷害し、感染のない創には不要で治癒を妨げうる
✗ 5. 誤り
浮腫
組織の浮腫は毛細血管を圧迫し酸素・栄養の供給を妨げ、治癒を遅延させる
ポイント
  • 感染のない創は湿潤環境で治癒促進〈moist wound healing〉
  • 痂皮・乾燥は上皮化を妨げる
  • 消毒薬は正常細胞も傷害し、感染創以外にはルーチン使用しない
  • 圧迫・浮腫は血流を妨げ治癒を遅らせる
比較表
創傷治癒を促進する要因/妨げる要因
区分要因
促進する適度な湿潤環境、十分な血流・酸素、良好な栄養(蛋白質・亜鉛・ビタミンC)
妨げる乾燥・痂皮、感染、圧迫・浮腫、低栄養、消毒薬の乱用、糖尿病・ステロイド
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