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理由で解く 看護師国試

Q109P112 精神看護学

出典:第109回看護師国家試験(2020)午後 問112
問題
Aさん(43歳、男性、会社員)は、妻(38歳)と2人暮らし。1年前から、仕事上の失敗を上司から叱責されることが続いていた。半年前からAさんの飲酒量は次第に増えていき、最近では酒気を帯びたままの出勤や、飲酒を原因とした遅刻や欠勤をすることが増えていた。ある夜、Aさんは居酒屋で多量に飲酒し、その場で意識が消失したため、救急車で救命救急センターへ搬送され、入院となった。器質的検査および生理的検査では異常が認められなかったが、入院翌日に飲酒の問題について同じ病院内の精神科を受診した結果、Aさんはアルコール依存症と診断された。
入院後3日までにAさんに出現する可能性が高い症状はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 観念奔逸
2 緘黙
3 強迫症状
4 幻覚
5 振戦
解答
正解4(幻覚)、5(振戦)
解説

アルコール依存症者が飲酒を中断すると、最終飲酒から数時間〜72時間で離脱症状(自律神経症状・振戦・幻覚・けいれん)が出現する。

Aさんはアルコール依存症で、入院により飲酒を中断した状態にある。断酒後の早期離脱症状は、最終飲酒から数時間〜72時間程度で現れ、手指振戦・発汗・頻脈・不眠・不安が典型で、進行すると幻覚(特に幻視で小動物などが見える)や、重症例では振戦せん妄・けいれん発作を生じる。したがって入院後2日までに出現しやすいのは振戦と幻覚である。観念奔逸は躁状態、緘黙は統合失調症緊張型やうつ病、強迫症状は強迫症で認められる症状で、いずれもアルコール離脱の典型症状ではない。

✗ 1. 誤り
観念奔逸
躁状態でみられる思考の障害で、アルコール離脱の症状ではない
✗ 2. 誤り
緘黙
統合失調症緊張型やうつ病などでみられ、離脱症状ではない
✗ 3. 誤り
強迫症状
強迫症でみられる症状で、飲酒中断とは関連しない
✓ 4. 正しい
幻覚
断酒後に幻視を中心とした幻覚が出現しやすく、振戦せん妄でもみられる
✓ 5. 正しい
振戦
手指振戦は最も早期に出現する代表的な離脱症状である
ポイント
  • 断酒後、数時間〜72時間で離脱症状が出現
  • 早期=振戦・発汗・頻脈・不安、進行=幻覚・けいれん・振戦せん妄
  • 幻覚は幻視が特徴的
比較表
アルコール離脱症状の時期と内容
時期主な症状
早期(数時間〜48時間)手指振戦・発汗・頻脈・不眠・不安・けいれん発作
後期(48〜72時間以降)幻覚(幻視)・見当識障害・振戦せん妄
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