
この図の解説
図の中央で肝臓の下面から下方へ伸びる太い青色の血管が門脈である。門脈は栄養血管ではなく、消化管・膵臓・脾臓から集めた静脈血を肝臓へ運ぶ機能血管であり、赤い固有肝動脈とは役割が異なる。図の下方に注目すると、腸管に沿って上行する上腸間膜静脈、下行結腸やS状結腸・直腸上部から集まる下腸間膜静脈、そして胃・脾臓側から来る脾静脈の3本が膵臓の後ろで合流し、1本の門脈になる様子が描かれている。門脈は肝臓に入るといったん毛細血管(洞様毛細血管)に分かれ、肝組織を通ったのち肝静脈へ集まり下大静脈に注ぐ。つまり「動脈→毛細血管→静脈①(門脈)→毛細血管→静脈②」という、途中に2度毛細血管をはさむ特殊な経路になる。図の吹き出しが示すとおり、脾静脈は赤血球の分解で生じたビリルビンを、消化管の静脈は糖やアミノ酸を、膵臓の静脈はインスリン・グルカゴンを肝臓へ届けている。
学習の要点
- 門脈は脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈が合流してできる、腹部消化管と脾臓の静脈血を肝臓へ導く血管である。
- 覚え方のコツ: 門脈は「脾・上腸間膜・下腸間膜」の3本合流。経路は"毛細血管を2回通る(消化管でと肝臓で)"のが門脈系の定義と結びつく。
- 関連知識: 肝臓には門脈のほかに固有肝動脈も入る。門脈=肝機能のための機能血管、固有肝動脈=肝組織を養う栄養血管、と役割が分かれる。
- よくある間違い: 門脈には静脈血が流れるが、単なる「静脈」ではなく動脈でもない。第1の毛細血管網(消化管など)と第2の毛細血管網(肝臓)の間に位置する第1の静脈①そのものであり、動脈血が流れるわけではない。
- 臨床応用: 肝硬変などで肝内血流が妨げられると門脈圧が亢進し、側副循環路を通じて食道静脈瘤・痔核・臍周囲の皮静脈怒張(メデューサの頭)を生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
門脈は肝臓に入ると、いったん( )という内腔の広い毛細血管に分かれ、肝組織を通ったのち肝静脈へ集まって下大静脈に注ぐ。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 洞様毛細血管
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。