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理由で解く 看護師国試

Q109A114 精神看護学

出典:第109回看護師国家試験(2020)午前 問114
問題
Aさん(男性、26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対してAさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
入院後1か月、Aさんは十分な休養が得られた。退院後の職場復帰にあたり、Aさんから「仕事がうまくいかないと、すごく混乱して落ち着かなくなってしまう。そうなった時はどうしたら良いか」と看護師に相談があった。Aさんへの助言で適切なのはどれか。
選択肢
1 「混乱するAさんを職場の人がどう見ているか想像しましょう」
2 「多くの人からアドバイスをもらいましょう」
3 「混乱した原因を周囲の人に説明しましょう」
4 「1人で落ち着ける場所に移動しましょう」
解答
正解4(「1人で落ち着ける場所に移動しましょう」)
解説

混乱時はまず刺激の少ない場所へ移動して自分を落ち着かせる(クールダウン)ことが、実行しやすく有効な対処法。

Aさんは仕事がうまくいかないと混乱し落ち着かなくなると訴えている。自閉スペクトラム症では、混乱・興奮したときに刺激を減らして気持ちを鎮める『クールダウン』が有効で、1人になれる静かな場所に移動する具体的で実行可能な行動が最も適切な助言となる。他者の視線を想像する、多くの人に相談する、周囲に原因を説明するといった対処は、対人・想像面の負担が大きく、混乱している場面では実行が難しくかえって負荷を高める。

✗ 1. 誤り
「混乱するAさんを職場の人がどう見ているか想像しましょう」
他者視点の想像が苦手な特性に反し、混乱時の対処として不適切
✗ 2. 誤り
「多くの人からアドバイスをもらいましょう」
情報が増え混乱を助長し、対人負担も大きい
✗ 3. 誤り
「混乱した原因を周囲の人に説明しましょう」
混乱の最中に原因を言語化・説明するのは困難で負担が大きい
✓ 4. 正しい
「1人で落ち着ける場所に移動しましょう」
刺激を減らして自分を鎮める具体的で実行しやすい対処法
ポイント
  • 混乱時はクールダウン(刺激の少ない場所へ移動)が有効
  • 具体的で本人が実行しやすい対処を助言する
  • 対人・想像を要する対処は特性上負担が大きい
比較表
混乱・過覚醒時の自己対処
対処適否と理由
静かな場所へ移動しクールダウン適:刺激軽減で自己鎮静できる
他者に相談・説明不適:混乱時は負担が大きく実行困難
他者の視線を想像する不適:想像・対人が苦手で不安増大
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