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理由で解く 看護師国試

Q109A113 精神看護学

出典:第109回看護師国家試験(2020)午前 問113
問題
Aさん(男性、26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対してAさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
入院中のAさんは、面会や検査等の予定が急に変更になると混乱し、看護師に対して予定を繰り返し確認することがあった。このときのAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 文字や図を用いて説明する。
2 確認を繰り返す理由を尋ねる。
3 複数の情報を同時に提供する。
4 状況を考えて行動するよう説明する。
解答
正解1(文字や図を用いて説明する。)
解説

自閉スペクトラム症では予定変更への不安が強く、視覚的手段(文字・図)で見通しを示すと混乱が軽減する。

自閉スペクトラム症の人は、状況の変化やあいまいさに弱く、聴覚的な説明よりも視覚的・具体的な情報のほうが理解しやすい特性をもつ。予定の急な変更で混乱し繰り返し確認するのは、見通しが立たない不安が背景にある。そこで予定表など文字や図を用いて視覚的に提示し、いつ・何が起こるかを明確にすることで安心でき、混乱と反復確認が減る。抽象的・複数同時の情報提供や『状況を考えて』という曖昧な指示は、特性上かえって混乱を強める。

✓ 1. 正しい
文字や図を用いて説明する。
視覚的・具体的に見通しを示すことで不安と混乱が軽減する適切な対応
✗ 2. 誤り
確認を繰り返す理由を尋ねる。
本人は理由を言語化しにくく、詰問的になり不安を増す可能性がある
✗ 3. 誤り
複数の情報を同時に提供する。
情報の同時処理が苦手なため混乱を助長する
✗ 4. 誤り
状況を考えて行動するよう説明する。
抽象的・曖昧な指示で臨機応変な判断が苦手な特性に合わず不適切
ポイント
  • 自閉スペクトラム症は視覚的・具体的な情報提示が有効
  • 予定を構造化・明確化すると変更への不安が軽減
  • 抽象的指示や複数同時情報は避ける
比較表
自閉スペクトラム症への支援の原則
原則具体的方法
視覚化予定表・絵カード・文字で示す
構造化手順や環境を一定にして見通しを持たせる
情報の単純化一度に一つずつ具体的に伝える
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