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理由で解く 看護師国試

Q108P112 精神看護学

出典:第108回看護師国家試験(2019)午後 問112
問題
Aさん(40歳、男性、会社員)は、うつ病と診断されていた。最近、仕事がうまくいかず、大きなミスを起こし、会社に損失を与えたことから自分を責め不眠となり、体重が減少した。ある朝、リビングの床で寝ているAさんを妻が発見し、大きな声で呼びかけたところ、Aさんは1度目を開けたが、すぐ目を閉じてしまった。ごみ箱に、からになった薬の袋が大量に捨ててあり、机には遺書があった。救急搬送後、意識が清明となり、身体的問題がないため精神科病院に入院となった。
入院時の看護師のAさんに対する関わりで適切なのはどれか。
選択肢
1 いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。
2 命を大切にしたほうがよいと伝える。
3 死ぬ気があれば何でもできると話をする。
4 家族が悲しむから死んではいけないと伝える。
解答
正解1(いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。)
解説

過量服薬による自殺企図の直後であり、まず希死念慮の有無を率直に尋ねてよい。問うことで自殺を促すことはなく、感情表出とリスク評価につながる。

Aさんは大量の薬を服用し遺書を残しており、明確な自殺企図後の入院である。この時期の看護でまず必要なのは、現在の希死念慮(いま死にたい気持ち)の有無と切迫度を評価することである。「死にたいか」を直接尋ねても自殺を助長することはなく、むしろ患者は気持ちを表出でき、援助を求めやすくなる(TALKの原則のAsk)。説得・叱責・励ましは患者を追い詰め孤立させるため避ける。したがって希死念慮を尋ねる1が適切である。

✓ 1. 正しい
いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。
希死念慮の有無・切迫度を評価でき、感情表出を促す。自殺企図直後の関わりとして適切
✗ 2. 誤り
命を大切にしたほうがよいと伝える。
一般論の説得・価値観の押しつけで、自責的な患者を追い詰める
✗ 3. 誤り
死ぬ気があれば何でもできると話をする。
励ましのつもりでも患者の苦痛を否定し、逆に追い詰める不適切な発言
✗ 4. 誤り
家族が悲しむから死んではいけないと伝える。
罪悪感を強め患者を孤立させる。禁止・説得は逆効果
ポイント
  • 自殺企図後はまず希死念慮の有無と切迫度を評価する
  • 「死にたいか」と直接尋ねても自殺を助長しない
  • 説得・叱責・励まし・禁止は患者を追い詰めるため避ける
比較表
自殺予防の基本対応(TALKの原則)
原則内容
Tell誠実な態度で心配していることを言葉で伝える
Ask死にたい気持ちについて率直に尋ねる
Listen傾聴し、絶望的な気持ちを受け止める
Keep safe安全を確保し一人にしない・見守る
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