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理由で解く 看護師国試

Q107P108 精神看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午後 問108
問題
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。
さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。
選択肢
1 「親戚で頼りになる方はいませんか」
2 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
3 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
4 「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
解答
正解4(「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」)
解説

母親の過保護(イネイブリング/共依存的関わり)が本人の自立を妨げうるため、本人が自分でできるよう支える方向へ関わりを転換する声かけが適切。

母親は「私しかこの子の力になれない」と本人を小さな子どものように世話しており、こうした過度な世話(イネイブリング)は依存症の回復や自立を妨げやすい。Aさんが断薬を決意し自立に向かおうとしている今、本人が自分のことを自分で行えるよう周囲が支える関わりへ転換していくことが重要で、その方向性を母親と共有する声かけが最も適切である。母親を責めず、共に支え方を考える姿勢が求められる。

✗ 1. 誤り
「親戚で頼りになる方はいませんか」
支援者の拡大は一案だが、母親の過保護的関わりの見直しという本質的課題には触れていない
✗ 2. 誤り
「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
本人の顔色をうかがう関わりを強め、かえって過保護・回避を助長する
✗ 3. 誤り
「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
本人の自立を妨げるイネイブリングを肯定してしまい不適切
✓ 4. 正しい
「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう:過保護から自立支援へ関わりを転換する方向を母親と共有する適切な声かけ
ポイント
  • イネイブリング=本人の回復・自立を妨げる過度な世話
  • 依存症支援は本人の自立を支える方向へ
  • 家族を責めず、共に関わり方を見直す
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