学習トップ理由で解く 看護師国試第8章 ▸ 状況設定 / Q107A104

理由で解く 看護師国試

Q107A104 母性看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午前 問104
問題
在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。身体所見 : 身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8°C、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。検査所見 : Apgar2アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。
出生後2時間。児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5℃、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。心雑音はなし。鼻翼呼吸および呻吟がみられた。四肢末端にチアノーゼあり。この児の状態で考えられるのはどれか。
選択肢
1 胎便吸引症候群〈MAS〉
2 呼吸窮迫症候群〈RDS〉
3 心室中隔欠損症〈VSD〉
4 新生児一過性多呼吸〈TTN〉
解答
正解4(新生児一過性多呼吸〈TTN〉)
解説

正期産・予定帝王切開で出生した児が、生後まもなく多呼吸(75/分)・鼻翼呼吸・呻吟・SpO2低下を呈している。帝王切開児に多い肺水の吸収遅延による新生児一過性多呼吸〈TTN〉が最も考えられる。

TTN(新生児一過性多呼吸)は、経腟分娩時の産道通過で得られる胸郭圧迫が乏しい予定帝王切開児で肺胞液(肺水)の吸収が遅れ、生後まもなく多呼吸・呻吟・鼻翼呼吸・軽度の低酸素を来す病態で、多くは数時間〜1〜2日で軽快する。本児は正期産・予定帝王切開で出生し、生後2時間で呼吸数75/分の多呼吸、鼻翼呼吸、呻吟、SpO2 87%、四肢チアノーゼを示しており、TTNの典型像に合致する。羊水混濁がないためMAS(1)は考えにくく、RDS(2)は肺サーファクタント不足による早産児の病態で正期産児では頻度が低い。心雑音がないためVSD(3)などの心疾患も否定的。

✗ 1. 誤り
胎便吸引症候群〈MAS〉
胎便で汚染された羊水の吸引で起こるが、本児は羊水混濁がなく合致しない
✗ 2. 誤り
呼吸窮迫症候群〈RDS〉
サーファクタント不足による主に早産児の呼吸障害で、正期産の本児では考えにくい
✗ 3. 誤り
心室中隔欠損症〈VSD〉
先天性心疾患だが心雑音がなく、生後2時間の呼吸障害の原因として合致しない
✓ 4. 正しい
新生児一過性多呼吸〈TTN〉
予定帝王切開・正期産児の肺水吸収遅延による多呼吸で、症状・背景が最も合致する
ポイント
  • TTNは予定帝王切開・正期産児に多い(肺水の吸収遅延)
  • 多呼吸・鼻翼呼吸・呻吟・軽度低酸素で数時間〜1-2日で軽快
  • 羊水混濁なし→MAS否定、正期産→RDS考えにくい、心雑音なし→心疾患否定
比較表
新生児の呼吸障害の鑑別
疾患背景・特徴
TTN(一過性多呼吸)予定帝王切開・正期産、肺水吸収遅延、数時間〜1-2日で軽快
RDS(呼吸窮迫症候群)早産児、サーファクタント不足、進行性の呼吸障害
MAS(胎便吸引症候群)羊水混濁(胎便)、過期産・仮死に合併
VSD(心室中隔欠損症)先天性心疾患、心雑音、心不全症状
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 看護師国試
App Store入手