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理由で解く 看護師国試

Q107A097 老年看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午前 問97
問題
Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折と診断され、入院した。
Aさん(75歳、女性)は転倒して右手をつき、右上腕骨近位部骨折と診断された。Aさんの骨折に対して保存療法が行われることとなった。骨折部の固定法を図に示す。Aさんの骨折部の固定として適切なのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
解答
正解3(3)
解説

上腕骨近位部骨折(転位が少ない例)の保存療法は、三角巾で前腕を吊り、バストバンド(体幹固定帯)で患肢を体幹に密着固定して肩関節を安静に保つ「簡易デゾー固定」が基本。前腕副子(図1・2)や鎖骨用の8字帯(図4)とは目的が異なる。

Aさん(75歳・女性)は夜間の転倒で右手をつき、右上腕骨近位部骨折と診断され保存療法となった。上腕骨近位部骨折は高齢者に多く、転位が少なければ手術をせず保存的に治療する。この場合の基本は、三角巾で前腕を吊って上肢の重みを支え、さらにバストバンド(体幹固定帯)で上腕を体幹に密着・固定して肩関節を安静に保つ「簡易デゾー固定」である(図3)。図1・図2は前腕〜手関節・肘周囲の骨折に用いる副子固定で肩の安静固定にならず、図4は両肩を後方で交差させる8字帯(鎖骨バンド)で鎖骨骨折の固定であり、いずれも上腕骨近位部骨折には適さない。したがって適切なのは図3である。固定は通常3週間程度行い、その間も手指・手関節の運動は積極的に行って浮腫や拘縮を予防し、疼痛・腫脹の軽減に応じて肩関節の可動域訓練を開始する。

✗ 1. 誤り
1
前腕下面に硬い副子を当て前腕を体幹前面で水平に保持し2本のベルトで固定する型で、前腕(橈骨・尺骨)や手関節周囲の骨折に用いる。上腕近位部を体幹に密着させて安静を保つ固定ではない
✗ 2. 誤り
2
前腕にシーネを当て包帯で巻き、上腕にバンドを回して前腕・手を下垂させた肢位で固定する型(シュガートング/下垂位固定様)。前腕・肘周囲向けで、上腕骨近位部の安静固定には不適
✓ 3. 正しい
3
三角巾+体幹固定帯(バストバンド/簡易デゾー固定):三角巾で前腕を頸から吊り、さらに体幹に固定帯を巻いて患側上肢を体幹に密着させる。転位の少ない上腕骨近位部骨折の保存療法における標準的固定で、肩関節を安静に保ち骨折部を安定させる(正=公式正答)
✗ 4. 誤り
4
8字帯(鎖骨バンド):両肩に帯を掛け背側で交差させ胸部でパッド・バンド固定する型を前後2方向で図示。鎖骨骨折で用いる固定であり、上腕骨近位部骨折には適さない
ポイント
  • 上腕骨近位部骨折=肘屈曲位で三角巾吊り+上腕を体幹に固定
  • 肩関節の動揺を抑えて安静を保つ
  • 図では前腕を吊り上腕を体側に固定した形を選ぶ
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