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理由で解く 看護師国試

Q107A095 成人看護学

出典:第107回看護師国家試験(2018)午前 問95
問題
Aさん(55歳、男性)。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1°C、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度2SpO2393%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。
手術後5日からAさんの食事が開始された。Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。現状で最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 術後せん妄
2 乳糖不耐症
3 偽膜性大腸炎
4 ダンピング症候群
解答
正解4(ダンピング症候群)
解説

胃全摘後、食後まもなく出現する動悸・冷汗・めまい・腹痛・下痢は早期ダンピング症候群の典型症状。

Aさんは胃全摘術後で、食事の後(食後まもなく)にめまい・顔面紅潮・動悸・冷汗・下腹部痛を伴う下痢が出現している。これは早期ダンピング症候群の典型像で、胃の貯留・調節機能が失われ高浸透圧の食物内容が急速に小腸へ流入することで、腸管への体液移動と消化管ホルモン・自律神経反応が生じて起こる。術後せん妄は意識・認知の変容が主体で食事と直結した消化器・循環器症状とは異なり、乳糖不耐症は乳製品摂取時の腹部症状が中心、偽膜性大腸炎は抗菌薬使用後の発熱・水様〜血性下痢が特徴で本経過と合致しない。

✗ 1. 誤り
術後せん妄
意識・認知の急性変動が主体で食後の循環器・消化器症状の説明にならない
✗ 2. 誤り
乳糖不耐症
乳糖(乳製品)摂取に伴う腹部膨満・下痢が主で本症状群とは異なる
✗ 3. 誤り
偽膜性大腸炎
抗菌薬使用後のClostridioides difficileによる発熱・水様〜血性下痢が特徴
✓ 4. 正しい
ダンピング症候群
胃全摘後、食後早期の動悸・冷汗・めまい・下痢は早期ダンピングの典型
ポイント
  • 胃切除後、食後まもなくの全身・消化器症状=早期ダンピング
  • 高浸透圧内容の急速な小腸流入が原因
  • 少量頻回食などの食事指導で予防する
比較表
早期・後期ダンピング症候群の比較
区分発症時期主症状機序
早期食後30分以内動悸・冷汗・めまい・腹痛・下痢高浸透圧内容の急速流入・体液移動
後期食後2〜3時間冷汗・脱力・手指振戦(低血糖症状)急激な糖吸収→過剰インスリン分泌
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