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理由で解く 看護師国試

Q106P054 精神看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問54
問題
災害後の被災者にみられる防衛機制はどれか。
選択肢
1 不安で眠れなくなる。
2 激しい怒りを表現する。
3 言動が子どものように幼くなる。
4 自分だけが無事で申し訳ないと思う。
解答
正解3(言動が子どものように幼くなる。)
解説

『言動が子どものように幼くなる』は退行〈regression〉にあたり、選択肢の中で唯一、防衛機制と説明できる反応である。ただし本問は設問の適切性に問題があり、実際の国家試験では採点対象から除外された。

防衛機制とは、不安や葛藤から自我を守るために無意識に働く心理的メカニズムを指す。選択肢のうち、退行(より未熟な発達段階の言動に戻ること)に該当する『言動が子どものように幼くなる』のみが防衛機制として説明できる。『不安で眠れない』は不安症状、『激しい怒り』は感情表出、『自分だけ無事で申し訳ない』は生存者の罪悪感(サバイバーズ・ギルト)といった心理反応であり、いずれも典型的な防衛機制の用語には直接当てはまらない。もっとも、生存者の罪悪感なども防衛機制の観点から論じうるため選択が一意に定まりにくく、本問は不適切問題として採点から除外された(受験者全員に配点する扱い)。

✗ 1. 誤り
不安で眠れなくなる。
不安症状(急性ストレス反応)であり防衛機制そのものではない(不適)
✗ 2. 誤り
激しい怒りを表現する。
感情の表出であり防衛機制の用語には当てはめにくい(不適)
✓ 3. 正しい
言動が子どものように幼くなる。
退行〈regression〉にあたり防衛機制として説明できる(相対的に最も妥当)
✗ 4. 誤り
自分だけが無事で申し訳ないと思う。
生存者の罪悪感で、防衛機制と断定しにくく解釈が分かれる(不適/論点)
本問は、厚生労働省が「設問が不適切で正解が得られないため」として採点対象から除外した問題です。原問は「防衛機制であること」と「災害後の成人にみられること」の両方を満たす肢を求めていますが、防衛機制(退行)に当たるのは選択肢3だけで、その退行は成人よりも小児に典型的なため、両方を満たす肢が存在しませんでした。そこで当方では、演習として成立させるために設問の「成人」を「被災者」に改めました(原問「災害後の成人にみられる防衛機制はどれか。」→ 当アプリ「災害後の被災者にみられる防衛機制はどれか。」)。選択肢は4つとも原問のままです。年齢の限定が外れたことで、退行(いわゆる赤ちゃん返り)は災害後の被災者に実際にみられる反応となり、かつ選択肢中で唯一の防衛機制ですので、正答は3に定まります(看護roo!などは設問を「みられにくい反応はどれか」と反転させる改変を採っていますが、その場合も選ぶ肢は同じ3です)。
ポイント
  • 防衛機制=不安から自我を守る無意識の心理機制
  • 退行(幼児返り)は代表的な防衛機制
  • 生存者の罪悪感(サバイバーズ・ギルト)も災害後にみられる
  • 本問は不適切問題として採点除外
比較表
災害後の心理反応の分類
反応分類
言動が幼くなる退行(防衛機制)
不安・不眠急性ストレス反応(症状)
怒りの表出感情反応
生存者の罪悪感災害後にみられる心理反応
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