学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1089

理由で解く 解剖学

Q1089 運動器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題28
問題
三叉神経の枝でないのはどれか。
選択肢
1 眼神経
2 鼓索神経
3 上顎神経
4 下顎神経
解答
正解2(鼓索神経)
解説
✗ 1.
眼神経
✗ 正しい。 眼神経(V1)は三叉神経の第1枝で、上眼窩裂を通って眼窩に入り、前頭部・鼻背・上眼瞼・角膜・結膜・鼻腔粘膜上部などの感覚を支配する。
✓ 2. 誤り
鼓索神経
鼓索神経は顔面神経(第VII脳神経)の枝で、三叉神経の枝ではない。鼓索神経は顔面神経管内で本幹から分岐し、鼓室を貫通して錐体鼓室裂から出て側頭下窩に出る。その後、三叉神経の下顎神経から分かれた舌神経と合流して舌に進入し、舌前2/3の味覚(特殊感覚)と顎下腺・舌下腺への副交感神経節前線維を供給する。走行の一部で三叉神経枝(舌神経)と合流するため混同されやすいが、起始は顔面神経である。
✗ 3.
上顎神経
✗ 正しい。 上顎神経(V2)は三叉神経の第2枝で、正円孔を通って翼口蓋窩に出て、眼窩下孔から顔面に達する。中顔面(頬・上唇・鼻翼・上顎歯・硬口蓋)の感覚を支配する。
✗ 4.
下顎神経
✗ 正しい。 下顎神経(V3)は三叉神経の第3枝で、卵円孔を通って側頭下窩に出て、頬神経・耳介側頭神経・舌神経・下歯槽神経に分かれる。下顔面の感覚と咀嚼筋の運動を支配する。三叉神経で唯一運動線維を含む枝である。
ポイント
  • 三叉神経(V)の3枝は眼神経(V1、上眼窩裂)・上顎神経(V2、正円孔)・下顎神経(V3、卵円孔)。鼓索神経は顔面神経(VII)の枝。
  • 覚え方のコツ: 「三叉は眼・上顎・下顎、通る孔は上眼窩裂・正円孔・卵円孔」。鼓索神経は舌神経(V3)と合流するが起始はVII。
  • 関連知識: 鼓索神経は舌前2/3の味覚+顎下腺・舌下腺の副交感支配。舌後1/3の味覚と一般感覚は舌咽神経(IX)が担当。
  • よくある間違い: 鼓索神経が舌神経と合流するため三叉神経の枝と誤解する/顔面神経を運動性と思い込み味覚関与を見落とす。
  • 臨床応用: ベル麻痺(顔面神経麻痺)では病変部位により味覚障害(鼓索神経領域)・流涙・聴覚過敏(アブミ骨筋神経)を伴うことがある。
比較表
神経 三叉神経の枝 支配領域
眼神経(V1) 前頭部・上眼瞼・鼻背・角膜
上顎神経(V2) 中顔面・上顎歯・硬口蓋・鼻腔下部
下顎神経(V3) 下顔面・下顎歯・舌前2/3感覚・咀嚼筋運動
鼓索神経 ×(顔面神経VII) 舌前2/3味覚・顎下腺/舌下腺副交感
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題28|三叉神経の枝でないのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題28|三叉神経の枝でないのはどれか。
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