学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1085

理由で解く 解剖学

Q1085 運動器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題25
問題
内分泌腺で外頸動脈の枝で栄養されるのはどれか。
選択肢
1 松果体
2 上皮小体
3 副腎
4 卵巣
解答
正解2(上皮小体)
解説
✗ 1. 誤り
松果体
松果体は間脳の背側に位置する頭蓋内の内分泌器官で、メラトニンを分泌する。栄養は内頸動脈系の後大脳動脈分枝および脳底動脈系の後脈絡叢動脈など脳動脈からの供給を受け、外頸動脈とは関係がない。
✓ 2. 正しい
上皮小体
上皮小体(副甲状腺)は甲状腺の後面に通常左右2対(計4個)埋め込まれた米粒大の内分泌腺で、パラソルモン(PTH)を分泌して血中カルシウム濃度を上昇させる。甲状腺の背面に位置することから栄養血管も甲状腺と共通し、主に下甲状腺動脈(鎖骨下動脈→甲状頸動脈の枝)からの供給を受け、上部は上甲状腺動脈(外頸動脈の枝)からも供給される。したがって「外頸動脈の枝(上甲状腺動脈)で栄養される内分泌腺」として本肢が該当する。
✗ 3. 誤り
副腎
副腎は腎臓の上方に位置し、上副腎動脈(下横隔動脈から)・中副腎動脈(腹大動脈から直接)・下副腎動脈(腎動脈から)の3系統で栄養される。いずれも腹部大動脈系で、外頸動脈とは無関係である。
✗ 4. 誤り
卵巣
卵巣は骨盤腔にある女性生殖腺で、卵巣動脈(腹大動脈からL2レベルで直接分枝)と子宮動脈(内腸骨動脈の枝)の吻合により栄養される。外頸動脈とは無関係である。
ポイント
  • 上皮小体(副甲状腺)は甲状腺後面の4個の内分泌腺で、上甲状腺動脈(外頸動脈枝)と下甲状腺動脈(甲状頸動脈枝)で栄養される。
  • 覚え方のコツ: 「頸部の内分泌腺(甲状腺・上皮小体)は外頸動脈系で栄養される」と地理的に覚える。腹部・骨盤の内分泌腺は大動脈系。
  • 関連知識: 上皮小体はPTHを分泌しCa上昇/P低下/ビタミンD活性化を促す。甲状腺C細胞のカルシトニンと拮抗。
  • よくある間違い: 松果体を外頸動脈系と誤解する(実際は脳内にあり内頸動脈系)/副腎を「上」だから頸部の動脈と勘違いする。
  • 臨床応用: 甲状腺手術中の上皮小体損傷による術後低Ca血症に注意。原発性副甲状腺機能亢進症では腺腫による高Ca血症・骨粗鬆症をきたす。
比較表
内分泌腺 位置 栄養動脈
松果体 間脳背側(頭蓋内) 内頸動脈系・脳底動脈系
上皮小体 甲状腺後面 上甲状腺動脈(外頸)・下甲状腺動脈(甲状頸)
甲状腺 甲状軟骨下方 上甲状腺動脈(外頸)・下甲状腺動脈(甲状頸)
副腎 腎上方 上・中・下副腎動脈(下横隔・腹大動脈・腎動脈)
卵巣 骨盤腔 卵巣動脈(腹大動脈)・子宮動脈(内腸骨)
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題25|内分泌腺で外頸動脈の枝で栄養されるのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題25|内分泌腺で外頸動脈の枝で栄養されるのはどれか。
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