学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1058

理由で解く 解剖学

Q1058 運動器系

出典:あマ指 第24回(2016) 問題20
問題
頭部の前屈作用をもつのはどれか。
選択肢
1 僧帽筋
2 椎前筋
3 大後頭直筋
4 広頸筋
解答
正解2(椎前筋)
解説
✗ 1. 誤り
僧帽筋
僧帽筋の上部線維は両側収縮で頭頸部を「後屈」させる作用があり、前屈ではない。一側のみが働けば同側への側屈・回旋に働く。副神経支配で主として肩甲骨の挙上・固定を行う浅背筋。
✓ 2. 正しい
椎前筋
椎前筋は頸椎前面に位置する深頸筋群で、頸長筋・頭長筋・前頭直筋・外側頭直筋などが含まれる。頸椎椎体前面や横突起から起こり、頭蓋底や上位頸椎に停止して、頭部および頸部を前屈(屈曲)させる作用をもつ。頸神経叢・頸神経前枝による支配を受ける。頭頸部の後屈には脊柱起立筋・半棘筋・後頭下筋群が、前屈には椎前筋と胸鎖乳突筋(両側収縮時)が働く。
✗ 3. 誤り
大後頭直筋
大後頭直筋は後頭下筋群の一つで、軸椎棘突起から起こり後頭骨下項線の外側部に停止する。主作用は頭の「後屈」と同側への回旋で、前屈作用はない。後頭下神経(C1後枝)支配。
✗ 4. 誤り
広頸筋
広頸筋は頸前面の皮下にある表情筋系の皮筋で、顔面神経支配。下顎を下方に引き、頸部皮膚を緊張させる作用をもつが、頭部の前屈を主作用とする筋ではない。驚いた表情や緊張時に皮膚にひだをつくる。
ポイント
  • 椎前筋(頸長筋・頭長筋など)は頸椎前面の深頸筋で、頭頸部の前屈(屈曲)を主作用とする。
  • 覚え方のコツ: 「前屈は前面の筋(椎前筋・胸鎖乳突筋両側収縮)」、「後屈は後面の筋(脊柱起立筋・半棘筋・後頭下筋・僧帽筋)」と前後面で整理する。
  • 関連知識: 胸鎖乳突筋は一側収縮で反対側回旋+同側側屈、両側収縮で頭頸部の前屈に働く。副神経支配。後頭下筋4対(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)は頭の後屈・回旋に働く。
  • よくある間違い: 大後頭直筋を前屈作用と誤る/広頸筋を頭部運動筋と勘違いする/僧帽筋上部を前屈と混同する。
  • 臨床応用: むち打ち損傷(外傷性頸部症候群)では椎前筋や胸鎖乳突筋が損傷されうる。長時間のスマホ使用(いわゆるテキストネック)で頭部前屈位が続くと後頸部の後屈筋群が過緊張する。
比較表
頭頸部運動 主動筋
前屈(屈曲) 椎前筋群(頸長筋・頭長筋)、胸鎖乳突筋(両側)
後屈(伸展) 僧帽筋上部・脊柱起立筋・頭半棘筋・板状筋・後頭下筋群
側屈 胸鎖乳突筋・斜角筋・板状筋(いずれも一側収縮)
回旋 胸鎖乳突筋(反対側)・下頭斜筋(同側)・板状筋(同側)
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題20|頭部の前屈作用をもつのはどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題20|頭部の前屈作用をもつのはどれか。
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