学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1038

理由で解く 解剖学

Q1038 運動器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題38
問題
大腿三角の構成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 大腿筋膜張筋
2 鼡径靭帯
3 縫工筋
4 長内転筋
解答
正解1(大腿筋膜張筋)
解説
✓ 1. 誤り
大腿筋膜張筋
大腿三角(スカルパ三角)は鼡径靭帯(上縁)、縫工筋(外側縁)、長内転筋(内側縁)の3辺で囲まれ、床を腸腰筋と恥骨筋がつくる領域である。大腿筋膜張筋は上前腸骨棘から起こり腸脛靭帯につながる筋で、大腿三角の外側方に位置するため構成には関与しない。三角内を内側から大腿静脈・大腿動脈・大腿神経が並走し、鼠径リンパ節が散在する。
✗ 2.
鼡径靭帯
✗ 正しい。 鼡径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節の間を張る靭帯で、大腿三角の上縁を構成する。その下を筋裂孔と血管裂孔として腰神経叢の枝や大腿動静脈が通過する。
✗ 3.
縫工筋
✗ 正しい。 縫工筋は上前腸骨棘から斜めに下行する長い筋で、大腿三角の外側縁を構成する。その下方の内転筋管でも蓋をつくり、大腿動静脈の通過路を形成する。
✗ 4.
長内転筋
✗ 正しい。 長内転筋は恥骨体前面から起こり粗線内側唇に停止する内転筋群の1つで、大腿三角の内側縁を構成する。大腿三角の頂点は縫工筋と長内転筋の交叉部にあたる。
ポイント
  • 大腿三角(スカルパ三角)の3辺は「上=鼡径靭帯/外側=縫工筋/内側=長内転筋」、床は腸腰筋と恥骨筋。
  • 覚え方のコツ: 三角の上辺から時計回りに「鼡径靭帯→縫工筋→長内転筋」と覚える。内容は内側から「静脈・動脈・神経」の順(NAVの逆=VAN)。
  • 関連知識: 三角内を通過する構造は内側から大腿静脈・大腿動脈・大腿神経、リンパ管(最内側は大腿輪)、鼠径リンパ節。大腿動脈はここで大腿深動脈を分枝する。
  • よくある間違い: 大腿筋膜張筋と縫工筋を混同する/鵞足(脛骨粗面内側の停止部)と大腿三角を混同する。
  • 臨床応用: 大腿三角は動脈触知(鼠径部)、静脈路確保、鼠径リンパ節触診の部位として頻用。大腿ヘルニア(大腿輪からの脱出)は中年女性に多い。
比較表
大腿三角 構成
上縁 鼡径靭帯
外側縁 縫工筋
内側縁 長内転筋
床(底) 腸腰筋、恥骨筋
通過構造(内側→外側) 大腿静脈、大腿動脈、大腿神経
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題38|大腿三角の構成に関与しないのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題38|大腿三角の構成に関与しないのはどれか。
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