学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1007

理由で解く 解剖学

Q1007 運動器系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題26
問題
坐骨神経の枝とその支配筋との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 腓腹神経 - ヒラメ筋
2 深腓骨神経 - 前脛骨筋
3 外側足底神経 - 母指内転筋
4 内側足底神経 - 母指外転筋
解答
正解1(腓腹神経 - ヒラメ筋)
解説
✓ 1. 誤り
腓腹神経 - ヒラメ筋
腓腹神経は脛骨神経の内側腓腹皮神経と総腓骨神経の外側腓腹皮神経が合流してできる「純粋な皮枝(感覚神経)」であり、下腿後外側と足外側縁の皮膚感覚を司るのみで、運動支配はしない。ヒラメ筋を支配するのは脛骨神経本幹から出る筋枝であり、「腓腹神経→ヒラメ筋」は誤った組合せ。この組合せが誤りのため本問の正解となる。
✗ 2.
深腓骨神経 - 前脛骨筋
✗ 正しい。 深腓骨神経は総腓骨神経の枝で、下腿前面の伸筋群(前脛骨筋・長母指伸筋・長指伸筋・第三腓骨筋)を支配する。組合せは正しい。
✗ 3.
外側足底神経 - 母指内転筋
✗ 正しい。 外側足底神経は脛骨神経の終枝の1つで、足底方形筋・第2〜4虫様筋・母指内転筋・短小指屈筋・底側・背側骨間筋を支配する。母指内転筋は外側足底神経支配で正しい。
✗ 4.
内側足底神経 - 母指外転筋
✗ 正しい。 内側足底神経は脛骨神経の終枝の1つで、母指外転筋・短指屈筋・短母指屈筋・第1虫様筋を支配する。母指外転筋は内側足底神経支配で正しい。
ポイント
  • 腓腹神経は純粋な皮枝(感覚神経)で運動支配はしない。ヒラメ筋は脛骨神経本幹の筋枝による支配。
  • 覚え方のコツ: 足底神経は「内側=母指寄り(外転筋・短指屈筋・短母指屈筋)」「外側=小指寄り+深部(母指内転筋・骨間筋など)」と分担を覚える。
  • 関連知識: 坐骨神経は膝窩で脛骨神経と総腓骨神経に分岐。脛骨神経は足底で内側足底神経と外側足底神経に分かれる。腓腹神経は合流した皮枝で腓腹神経生検の採取対象としても有名。
  • よくある間違い: 腓腹神経を運動神経と誤る(純粋な皮枝)/母指内転筋と母指外転筋の神経支配を逆に覚える(内転=外側、外転=内側)。
  • 臨床応用: 腓腹神経は生検(ニューロパチーの組織診断)や神経移植のドナーとして利用される。障害されても軽度の足外側の感覚障害のみで運動障害を残さない。
比較表
坐骨神経の枝 支配
脛骨神経(本幹) 下腿後面屈筋群、足底の深部(後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋、下腿三頭筋、膝窩筋)
内側足底神経(脛骨神経の終枝) 母指外転筋、短指屈筋、短母指屈筋、第1虫様筋
外側足底神経(脛骨神経の終枝) 足底方形筋、第2〜4虫様筋、母指内転筋、短小指屈筋、底・背側骨間筋
総腓骨神経 大腿二頭筋短頭
深腓骨神経(総腓骨神経の枝) 下腿前面伸筋群(前脛骨筋、長母指・長指伸筋、第三腓骨筋)
浅腓骨神経(総腓骨神経の枝) 腓骨筋群(長・短腓骨筋)
腓腹神経 皮枝のみ(下腿後外側〜足外側縁の皮膚感覚)
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題26|坐骨神経の枝とその支配筋との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題26|坐骨神経の枝とその支配筋との組合せで誤っているのはどれか。
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