学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1004

理由で解く 解剖学

Q1004 運動器系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題22
問題
寛骨の周囲の筋で大転子に停止しないのはどれか。
選択肢
1 大腰筋
2 中殿筋
3 小殿筋
4 梨状筋
解答
正解1(大腰筋)
解説
✓ 1. 誤り
大腰筋
大腰筋は第12胸椎〜第4腰椎の椎体・椎間円板と腰椎肋骨突起から起こり、腸骨筋と合して腸腰筋となり、大腿骨の「小転子」に停止する。大転子ではなく小転子に停止する点が重要で、腰神経叢から直接筋枝を受け、股関節の最強屈筋として歩行時の大腿挙上と体幹前屈に働く。
✗ 2.
中殿筋
✗ 正しい。 中殿筋は腸骨外面(前・後殿筋線の間)から起こり、大腿骨の大転子に停止する。上殿神経支配で股関節の外転と内旋を行い、歩行時の骨盤安定(片脚立位保持)の要となる。
✗ 3.
小殿筋
✗ 正しい。 小殿筋は腸骨外面(前殿筋線と下殿筋線の間)から起こり、大腿骨の大転子に停止する。上殿神経支配で股関節の外転と内旋を行い、中殿筋の深層にある。
✗ 4.
梨状筋
✗ 正しい。 梨状筋は仙骨前面から起こり、大坐骨孔を通って大腿骨の大転子に停止する深層外旋6筋の1つ。仙骨神経叢支配で股関節の外旋に働く。
ポイント
  • 小転子=腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)の停止部。大転子は中・小殿筋・梨状筋の停止部。
  • 覚え方のコツ: 「小転子=小さい筋の腸腰筋」ではなく「股関節を屈曲する腸腰筋=小転子」と作用と対応させる。股関節伸展・外転・外旋の殿筋・外旋筋は大転子付近。
  • 関連知識: 大腰筋は横突起ではなく「肋骨突起(腰肋突起)」から起こる。一部は椎体と椎間円板からも起始するため腰椎の運動にも関与。
  • よくある間違い: 大腰筋を大転子停止と誤る(小転子)/腸骨筋と大腰筋を別々の停止と誤る(合流して小転子)。
  • 臨床応用: 大腰筋の緊張は腰椎前弯増強と股関節屈曲拘縮の原因となる。腰痛や鼠径部痛をきたし、トーマステストで拘縮を評価する。
比較表
股関節周囲筋の停止部 停止
腸腰筋(大腰筋+腸骨筋) 小転子
大殿筋 殿筋粗面、腸脛靭帯
中殿筋、小殿筋、梨状筋 大転子
大腿筋膜張筋 腸脛靭帯
内閉鎖筋、上・下双子筋、外閉鎖筋 転子窩
大腿方形筋 転子間稜
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題22|寛骨の周囲の筋で大転子に停止しないのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題22|寛骨の周囲の筋で大転子に停止しないのはどれか。
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