学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1003

理由で解く 解剖学

Q1003 運動器系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題21
問題
筋の起始と停止が2つ以上の関節にまたがるのはどれか。
選択肢
1 外閉鎖筋
2 腸骨筋
3 長内転筋
4 半腱様筋
解答
正解4(半腱様筋)
解説
✗ 1. 誤り
外閉鎖筋
外閉鎖筋は閉鎖膜外面から起こり大腿骨の転子窩に停止する。股関節のみをまたぐ単関節筋で、閉鎖神経支配、股関節の外旋と内転に働く。
✗ 2. 誤り
腸骨筋
腸骨筋は腸骨窩から起こり大腿骨の小転子に停止する(大腰筋と合流して腸腰筋)。股関節のみをまたぐ単関節筋で、股関節の屈曲に働く。
✗ 3. 誤り
長内転筋
長内転筋は恥骨体前面から起こり粗線内側唇に停止する内転筋群の1つで、股関節のみをまたぐ単関節筋である。閉鎖神経支配で股関節の内転・屈曲に働く。
✓ 4. 正しい
半腱様筋
半腱様筋は坐骨結節から起こり鵞足を形成して脛骨粗面内側に停止するハムストリングスの1つで、股関節と膝関節の2つの関節をまたぐ2関節筋である。坐骨神経(脛骨神経部)支配で、股関節の伸展と膝関節の屈曲・内旋を行う。ハムストリングスでは大腿二頭筋短頭のみが単関節筋で、他の3筋(半腱・半膜様筋・大腿二頭筋長頭)はすべて2関節筋である。
ポイント
  • 下肢の代表的な2関節筋:ハムストリングス(大腿二頭筋短頭を除く)、大腿直筋、腓腹筋、縫工筋、薄筋、大腿筋膜張筋。
  • 覚え方のコツ: 「寛骨→大腿骨」の筋は股関節のみ(単関節)、「寛骨→脛骨/腓骨」または「大腿骨→足」の筋は2関節。起始・停止の骨を見れば判定できる。
  • 関連知識: 2関節筋は同時に両関節に最大作用はできない「相対的不全」がある。股関節屈曲時にハムストリングスが伸びて膝伸展が制限される現象がその例。
  • よくある間違い: 大腿二頭筋短頭を2関節筋と誤る(大腿骨起始→腓骨頭停止で単関節)/腸骨筋や内転筋群を2関節筋と誤る(単関節)。
  • 臨床応用: 肉離れ(筋挫傷)は2関節筋に多発し、ハムストリングス(走行時)と大腿直筋(キック動作)が好発部位。2関節にまたがる特性が受傷リスクを高める。
比較表
下肢の単関節筋・2関節筋 区分 代表筋
単関節筋 股関節のみ 腸骨筋、大腰筋、大内転筋、長・短内転筋、外閉鎖筋、梨状筋、大殿筋、中・小殿筋
単関節筋 膝関節のみ 内側・中間・外側広筋、膝窩筋、大腿二頭筋短頭
2関節筋 股+膝 縫工筋、薄筋、大腿直筋、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭、大腿筋膜張筋
2関節筋 膝+足 腓腹筋、足底筋
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題21|筋の起始と停止が2つ以上の関節にまたがるのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題21|筋の起始と停止が2つ以上の関節にまたがるのはどれか。
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