学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0993

理由で解く 解剖学

Q0993 運動器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題20
問題
下腿の屈筋群で単関節筋はどれか。
選択肢
1 腓腹筋
2 ヒラメ筋
3 後脛骨筋
4 長指屈筋
解答
正解2(ヒラメ筋)
解説
✗ 1. 誤り
腓腹筋
腓腹筋は大腿骨の内・外側上顆から起こり踵骨に停止するため、膝関節と足関節の2つの関節をまたぐ2関節筋である。膝関節屈曲と足関節底屈の両方に働く。
✓ 2. 正しい
ヒラメ筋
ヒラメ筋は腓骨頭と脛骨のヒラメ筋線から起こり、腓腹筋と合して踵骨腱をつくり踵骨隆起に停止する。起始・停止ともに足関節のみをまたぐため単関節筋であり、純粋に足関節の底屈を行う。腓腹筋と異なり膝関節の状態にかかわらず底屈力を発揮できるため、立位保持や歩行での抗重力筋として重要である。
✗ 3. 誤り
後脛骨筋
後脛骨筋は下腿骨間膜後面から起こり、足の舟状骨・楔状骨・立方骨・第2〜4中足骨底に停止する。足関節と足根間関節をまたぎ、足関節の底屈と内反を行う。
✗ 4. 誤り
長指屈筋
長指屈筋は脛骨後面から起こり第2〜5指の末節骨底に停止するため、足関節および足指の関節をまたぐ多関節筋である。第2〜5指の屈曲と足関節の底屈・内反を行う。
ポイント
  • 下腿屈筋群のうちヒラメ筋のみが単関節筋で、腓腹筋・後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋はすべて多関節筋。
  • 覚え方のコツ: 「ヒラメ筋は下腿起始=単関節/腓腹筋は大腿骨起始=2関節」と起始の位置で区別する。長指・長母指屈筋は指まで届くので当然多関節。
  • 関連知識: 下腿三頭筋=腓腹筋(2頭)+ヒラメ筋の合計3頭。腓腹筋は膝屈曲時に短縮位となり底屈力が低下するため、膝伸展位で底屈力が最大となる。
  • よくある間違い: 後脛骨筋や長指屈筋を単関節筋と誤る(足指・足根関節までまたぐ多関節筋)。膝窩筋も膝関節のみの単関節筋だが下腿屈筋群としてはヒラメ筋が代表。
  • 臨床応用: ヒラメ筋内には筋ポンプ作用で静脈還流を助ける「ヒラメ筋静脈」があり、長時間の不動で深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の好発部位となる。
比較表
下腿後面の筋 起始 またぐ関節 関節性
腓腹筋 大腿骨内・外側上顆 膝関節、足関節 2関節筋
ヒラメ筋 腓骨頭、脛骨ヒラメ筋線 足関節のみ 単関節筋
足底筋 大腿骨外側上顆 膝関節、足関節 2関節筋
膝窩筋 大腿骨外側上顆 膝関節のみ 単関節筋
後脛骨筋 下腿骨間膜後面 足関節、足根間関節 多関節筋
長指屈筋 脛骨後面 足関節、足指関節 多関節筋
長母指屈筋 腓骨下部後面 足関節、母指関節 多関節筋
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題20|下腿の屈筋群で単関節筋はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題20|下腿の屈筋群で単関節筋はどれか。
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