学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0972

理由で解く 解剖学

Q0972 運動器系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題24
問題
上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。
選択肢
1 橈骨動脈は手根管を通る。
2 腋窩動脈は外側腋窩隙を通る。
3 上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。
4 尺骨動脈は上腕骨内側上顆の後ろを通る。
解答
正解3(上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
橈骨動脈は手根管を通る。
橈骨動脈は橈骨茎状突起の上(橈側手根屈筋の外側)を通って手関節を越え、一部は解剖学的嗅ぎタバコ入れを通って手背側へ、本幹は深掌動脈弓を形成する。手根管は通らない。
✗ 2. 誤り
腋窩動脈は外側腋窩隙を通る。
腋窩動脈は腋窩中央を縦走し、外側腋窩隙は通らない。外側腋窩隙を通るのは腋窩神経と後上腕回旋動脈である。
✓ 3. 正しい
上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。
腋窩動脈は大胸筋下縁で上腕動脈に名を変え、上腕二頭筋の内側縁にできる内側上腕二頭筋溝(内側二頭筋溝)を正中神経とともに縦走する。この溝では上腕動脈の拍動が触知でき、血圧測定のカフ圧解除時に聴診する部位(ベル側を肘窩の内側に当てる)として臨床上重要。下端では上腕二頭筋の停止腱膜の下をくぐって肘窩に入り、橈骨動脈と尺骨動脈に分岐する。内側二頭筋溝は内側上腕筋間中隔の内側端であり、同じ溝を正中神経も伴行するため、同部の損傷で両者が同時に傷害されやすい。
✗ 4. 誤り
尺骨動脈は上腕骨内側上顆の後ろを通る。
内側上顆の後ろ(尺骨神経溝)を通るのは尺骨神経で、尺骨動脈ではない。尺骨動脈は肘窩で分岐後、前腕の尺側手根屈筋の深層を下行する。
ポイント
  • 上腕動脈は内側二頭筋溝を正中神経と伴行し、肘窩で橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる。
  • 覚え方のコツ: 「上腕=内側、橈骨=外側」、「内側上顆の後=尺骨神経」、「手根管=神経のみ(動脈なし)」の3点セット。
  • 関連知識: 上腕動脈の拍動触知部位は内側二頭筋溝〜肘窩。血圧測定では肘窩内側の上腕動脈を聴診する。
  • よくある間違い: 内側上顆の後ろを通るものを「尺骨動脈」と誤認(正解は尺骨神経)/橈骨動脈を手根管内とする。
  • 臨床応用: 上腕骨顆上骨折では上腕動脈と正中神経の圧迫・損傷が起こりやすい(Volkmann拘縮)。内側上顆骨折は尺骨神経麻痺を起こしやすい。
比較表
動脈・神経 通過部位
腋窩動脈 腋窩中央(腋窩神経は外側腋窩隙)
上腕動脈 内側二頭筋溝(正中神経と伴行)
橈骨動脈 橈骨茎状突起上(手根管は通らない)
尺骨動脈 前腕尺側手根屈筋の深層 → ギヨン管
尺骨神経 上腕骨内側上顆の後(尺骨神経溝)
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題24|上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題24|上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。
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