学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0965

理由で解く 解剖学

Q0965 運動器系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題21
問題
腋窩の後壁を形成する筋はどれか。
選択肢
1 大胸筋
2 三角筋
3 広背筋
4 前鋸筋
解答
正解3(広背筋)
解説
✗ 1. 誤り
大胸筋
大胸筋は腋窩の前壁を形成する。前胸壁に広がり、その外側縁が腋窩前壁をつくる。小胸筋も深層で前壁の構成に関与するが、主役は大胸筋である。
✗ 2. 誤り
三角筋
三角筋は腋窩の構成筋ではなく、肩峰・鎖骨外側1/3・肩甲棘から起こって上腕骨三角筋粗面に停止する肩の表層筋で、腋窩の外側壁ではなく肩の輪郭を形成する。腋窩外側壁を構成するのは上腕骨(および烏口腕筋・上腕二頭筋)である。
✓ 3. 正しい
広背筋
広背筋は胸郭の背側壁に沿って走り、大円筋とともに腋窩の後壁を形成する。腋窩は錐体状の空間で、前壁=大胸筋、後壁=広背筋・大円筋・肩甲下筋、内側壁=前鋸筋(および第1〜4肋骨)、外側壁=上腕骨(結節間溝)の4壁から構成される。広背筋は背部の広範な起始から上腕骨小結節稜へ向かって走行する際、腋窩の後方を通過してひだを形成する。腋窩の4壁の構成は臨床解剖学で頻出のテーマであり、「前は大胸、後は広背・大円、内は前鋸、外は上腕骨」と一括で暗記する。
✗ 4. 誤り
前鋸筋
前鋸筋は胸郭の側面にある薄い筋で、腋窩の内側壁を形成する。第1〜8肋骨から起こり肩甲骨内側縁に停止し、長胸神経(C5〜C7)に支配される。外腹斜筋の起始と組み合ってギザギザの輪郭をもつ。
ポイント
  • 腋窩の後壁は広背筋・大円筋・肩甲下筋で構成され、広背筋と大円筋は下縁のひだ(後腋窩ひだ)をつくる。
  • 覚え方のコツ: 腋窩4壁「前=大胸筋、後=広背筋・大円筋、内=前鋸筋、外=上腕骨」。前後の2筋セットと内外の位置で暗記。
  • 関連知識: 腋窩には腋窩動静脈・腕神経叢・腋窩リンパ節が通過する。後壁の広背筋・大円筋の間には四辺形孔(腋窩神経・後上腕回旋動脈)と三辺形孔(肩甲回旋動脈)が存在する。
  • よくある間違い: 後壁を「三角筋」と誤答/「前鋸筋」と誤答(前鋸筋は内側壁)。広背筋は浅背筋だが、その一部が腋窩後壁を構成することに注意。
  • 臨床応用: 松葉杖腋窩圧迫による橈骨神経麻痺(腋窩麻痺)や、乳癌術後の腋窩リンパ節郭清後のリンパ浮腫・広背筋損傷に関連。鍼灸では極泉(腋窩中央)付近の解剖学的理解が重要。
比較表
腋窩の壁 構成筋・構造
前壁 大胸筋(浅層)・小胸筋(深層)
後壁 広背筋・大円筋・肩甲下筋
内側壁 前鋸筋・第1〜4肋骨
外側壁 上腕骨結節間溝・烏口腕筋・上腕二頭筋
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題21|腋窩の後壁を形成する筋はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題21|腋窩の後壁を形成する筋はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手