学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0952

理由で解く 解剖学

Q0952 運動器系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題19
問題
起始が1つの骨にある筋はどれか。
選択肢
1 上腕二頭筋
2 上腕三頭筋
3 大腿二頭筋
4 下腿三頭筋
解答
正解1(上腕二頭筋)
解説
✓ 1. 正しい
上腕二頭筋
上腕二頭筋の長頭は「肩甲骨関節上結節」、短頭は「肩甲骨烏口突起」から起こり、起始はどちらも肩甲骨である。したがって起始は1つの骨(肩甲骨)にまとまっている。2頭が同じ骨から起こるのは比較的珍しい多頭筋の形態で、筋腹は上腕前面で1つにまとまり橈骨粗面に停止する。
✗ 2. 誤り
上腕三頭筋
上腕三頭筋の長頭は「肩甲骨(関節下結節)」、外側頭・内側頭は「上腕骨」から起こる。起始は肩甲骨と上腕骨の2つの骨にまたがる。
✗ 3. 誤り
大腿二頭筋
大腿二頭筋の長頭は「坐骨結節(寛骨)」、短頭は「大腿骨粗線」から起こる。起始は寛骨と大腿骨の2つの骨にまたがる。
✗ 4. 誤り
下腿三頭筋
下腿三頭筋は腓腹筋(内側頭・外側頭)とヒラメ筋からなる。腓腹筋2頭は「大腿骨内側・外側顆」、ヒラメ筋は「腓骨・脛骨」から起こる。起始は大腿骨・腓骨・脛骨の3つの骨にまたがる。
ポイント
  • 中核要点: 上腕二頭筋は両頭ともに「肩甲骨」から起始する唯一の例(長頭=関節上結節、短頭=烏口突起)。他の多頭筋は複数の骨にまたがる起始を持つ。
  • 覚え方のコツ: 「上腕二頭筋=肩甲骨で完結」「上腕三頭筋は肩甲骨+上腕骨に分散」と対比で覚える。大腿二頭筋は"坐骨と大腿骨"、下腿三頭筋は"大腿骨と下腿骨"と覚える。
  • 関連知識: 上腕二頭筋の長頭腱は関節包内を走行し、結節間溝を通って下降する。炎症(上腕二頭筋長頭腱炎)や断裂はSLAP損傷や投球障害肩で多発。
  • よくある間違い: 「二頭筋だから起始が2つ=2つの骨」と短絡する(同じ骨の別部位から起こることもある)。
  • 臨床応用: 上腕二頭筋長頭腱断裂ではPopeye sign(筋腹の下方移動)を呈する。短頭単独の機能喪失は軽度だが、長頭断裂では肘屈曲力が10〜20%低下する。
比較表
頭数 起始の骨
上腕二頭筋 2 肩甲骨のみ(関節上結節+烏口突起)
上腕三頭筋 3 肩甲骨+上腕骨
大腿二頭筋 2 寛骨(坐骨結節)+大腿骨
下腿三頭筋 3 大腿骨+腓骨+脛骨
大腿四頭筋(参考) 4 寛骨(腸骨)+大腿骨
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題19|起始が1つの骨にある筋はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題19|起始が1つの骨にある筋はどれか。
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