学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0946

理由で解く 解剖学

Q0946 運動器系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題18
問題
手の第2~4指を外転させるのはどれか。
選択肢
1 回外筋
2 虫様筋
3 掌側骨間筋
4 背側骨間筋
解答
正解4(背側骨間筋)
解説
✗ 1. 誤り
回外筋
回外筋は前腕伸筋深層で前腕の回外を行う筋であり、指の運動には関与しない。
✗ 2. 誤り
虫様筋
虫様筋は深指屈筋腱から起こり、基節骨の背側に回り込んで指背腱膜に合流する。作用はMP関節屈曲+IP関節伸展であり、指の外転は行わない。
✗ 3. 誤り
掌側骨間筋
掌側骨間筋は中手骨間に3筋あり、中指を基準として第2・4・5指を中指に「近づける」(内転)。作用は外転ではなく内転である。
✓ 4. 正しい
背側骨間筋
背側骨間筋は中手骨間に4筋あり、2頭で第1〜5中手骨の対向面から起こる。中指を基準として各指を広げる「外転運動」を行う(第3指を中心に第2・3・4指を外転、第3指自体は橈側にも尺側にも両方向へ動かせる)。ただし中指自体は中心軸なので、実質的に外転される指は第2指(橈側へ)・第4指(尺側へ)と中指(左右どちらにも)である。いずれも尺骨神経支配。
ポイント
  • 中核要点: 手指の外転=背側骨間筋(DAB: Dorsal ABduction)、内転=掌側骨間筋(PAD: Palmar ADduction)。基準は中指(第3指)。
  • 覚え方のコツ: 「DAB-PAD」で暗記。D(背側)=AB(外転)、P(掌側)=AD(内転)。英語頭文字で即答可能。
  • 関連知識: 背側骨間筋は4個、掌側骨間筋は3個。母指の外転は短母指外転筋、小指の外転は小指外転筋が担当し骨間筋とは別。虫様筋は「MP屈曲+IP伸展」。
  • よくある間違い: 掌側骨間筋と背側骨間筋の作用(外転/内転)を逆に覚える/虫様筋を指の外転筋と誤認する。
  • 臨床応用: 尺骨神経麻痺で骨間筋が障害されると、指の開閉運動が困難となりFroment徴候(母指でカードを挟めない)や鷲手変形を呈する。
比較表
作用 起始
背側骨間筋 4個 指の外転(中指基準に離す) 第1〜5中手骨の対向面
掌側骨間筋 3個 指の内転(中指基準に近づける) 第2中手骨尺側、第4・5中手骨橈側
虫様筋 4個 MP屈曲+IP伸展 深指屈筋腱
回外筋 1個 前腕回外 外側上顆・尺骨回外筋稜
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題18|手の第2~4指を外転させるのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題18|手の第2~4指を外転させるのはどれか。
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