学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ A. 骨格系総論 / Q0766

理由で解く 解剖学

Q0766 運動器系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題17
問題
筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 広背筋 - 肩関節の内転
2 大殿筋 - 股関節の伸展
3 長掌筋 - 手関節の屈曲
4 ヒラメ筋 - 足関節の背屈
解答
正解4(ヒラメ筋 - 足関節の背屈)
解説
✗ 1.
広背筋 - 肩関節の内転
✗ 正しい。 広背筋は下位胸椎〜腰椎の棘突起・腸骨稜・下位肋骨から起始し、上腕骨小結節稜に停止する浅背筋で、肩関節の内転・伸展・内旋に働く。胸背神経(C6-8)支配で、懸垂や水泳のストロークで重要。組合せは正しい。
✗ 2.
大殿筋 - 股関節の伸展
✗ 正しい。 大殿筋は腸骨外面・仙骨・尾骨から起こり、大腿骨殿筋粗面と腸脛靱帯に停止する人体最大級の筋で、股関節の伸展(最強)・外旋に働く。起立・階段昇降・走動作で重要。下殿神経(L5-S2)支配。組合せは正しい。
✗ 3.
長掌筋 - 手関節の屈曲
✗ 正しい。 長掌筋は上腕骨内側上顆から起始し、手掌腱膜に停止する細く長い紡錘形筋で、手関節の掌屈(屈曲)および手掌腱膜の緊張に働く。正中神経支配の浅層屈筋。組合せは正しい。欠損の個体差も多い(約10〜15%で欠損)。
✓ 4. 誤り
ヒラメ筋 - 足関節の背屈
ヒラメ筋は脛骨・腓骨後面から起こり、腓腹筋と合流してアキレス腱(踵骨腱)となり踵骨隆起に停止する。下腿三頭筋の一部として、主作用は「足関節の底屈」である(背屈ではない)。底屈筋は爪先立ちや歩行時の蹴り出しに不可欠で、脛骨神経支配。足関節の背屈は前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋など下腿前面の筋が担当する(深腓骨神経支配)。したがって「ヒラメ筋―足関節の背屈」は誤った組合せで、本問の解答となる。ヒラメ筋は膝関節をまたがず足関節のみに作用するのに対し、腓腹筋は膝屈曲にも働く「二関節筋」である点も重要な鑑別点。
ポイント
  • ヒラメ筋は下腿三頭筋の一部で足関節の「底屈」に働く。背屈筋は前脛骨筋など下腿前面の筋である。
  • 覚え方のコツ: 「後ろの筋=底屈、前の筋=背屈」。ヒラメ・腓腹=後面底屈、前脛骨・長趾伸=前面背屈。
  • 関連知識: 腓腹筋は二関節筋(膝屈曲+足底屈)、ヒラメ筋は単関節筋(足底屈のみ)の違いが試験頻出。
  • よくある間違い: ヒラメ筋と前脛骨筋の作用を逆に覚える/下腿三頭筋が膝関節に作用すると誤解する。
  • 臨床応用: アキレス腱断裂では底屈が困難となり、踵を浮かせられない(Thompson test陽性)。
比較表
主作用 神経支配
広背筋 肩関節の内転・伸展・内旋 胸背神経
大殿筋 股関節の伸展・外旋 下殿神経
長掌筋 手関節の掌屈 正中神経
ヒラメ筋 足関節の底屈 脛骨神経
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題17|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題17|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
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