学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0932

理由で解く 解剖学

Q0932 運動器系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題19
問題
上腕骨小結節に停止する筋はどれか。
選択肢
1 棘上筋
2 棘下筋
3 小円筋
4 肩甲下筋
解答
正解4(肩甲下筋)
解説
✗ 1. 誤り
棘上筋
棘上筋は棘上窩から起こり大結節「上部」に停止する。肩関節外転の始動筋で、腱は肩峰直下を通過。停止は大結節であり小結節ではない。
✗ 2. 誤り
棘下筋
棘下筋は棘下窩から起こり大結節「中部」に停止する。肩関節外旋に作用。回旋筋腱板の後面を構成するが、停止部は大結節である。
✗ 3. 誤り
小円筋
小円筋は肩甲骨外側縁から起こり大結節「下部」に停止する。棘下筋と共に肩関節外旋に作用するが、停止部は大結節であって小結節ではない。
✓ 4. 正しい
肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲骨前面の肩甲下窩から起こり、上腕骨「小結節」に停止する唯一の筋である。肩関節の前方を通過して停止するため上腕の内旋に働き、回旋筋腱板の前面を構成する。肩甲下神経(C5〜C6)支配で、肩関節の前方脱臼に対する重要な安定化筋である。
ポイント
  • 小結節には肩甲下筋のみが停止する。他の回旋筋腱板筋(棘上筋・棘下筋・小円筋)はすべて大結節に停止する。
  • 覚え方のコツ: 「小結節=肩甲下筋(1筋のみ)」、「大結節=SIT(棘上・棘下・小円の3筋)」と停止部と筋数で対比。小結節は前面、大結節は上〜後面とも対応。
  • 関連知識: 結節間溝(大結節と小結節の間)には上腕二頭筋長頭腱が走行する。小結節稜(小結節の下方延長)には大円筋と広背筋が停止する。小結節には肩甲下筋「のみ」が直接停止。
  • よくある間違い: 大円筋を小結節停止と誤る(小結節稜)/肩甲下筋を大結節と取り違える/結節間溝通過の筋(上腕二頭筋長頭)と混同する。
  • 臨床応用: 肩甲下筋腱単独断裂は比較的稀だが、Lift-off test 陽性(背中に手を回して持ち上げられない)や内旋力低下を呈する。前方脱臼後の Bankart 病変とも関連。
比較表
上腕骨近位部の部位 停止する筋
小結節 肩甲下筋(のみ)
大結節 上部 棘上筋
大結節 中部 棘下筋
大結節 下部 小円筋
小結節稜 大円筋、広背筋
大結節稜 大胸筋
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題19|上腕骨小結節に停止する筋はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題19|上腕骨小結節に停止する筋はどれか。
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