学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0923

理由で解く 解剖学

Q0923 運動器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題20
問題
上腕の内旋に働く筋はどれか。
選択肢
1 棘上筋
2 棘下筋
3 小円筋
4 肩甲下筋
解答
正解4(肩甲下筋)
解説
✗ 1. 誤り
棘上筋
棘上筋は棘上窩から起こり大結節に停止し、肩関節の「外転」を始動する筋である。肩峰直下を通って肩関節上方を横切るため内旋・外旋作用はもたない。肩甲上神経支配。
✗ 2. 誤り
棘下筋
棘下筋は棘下窩から起こり大結節に停止し、肩関節の「外旋」に働く。内旋ではなく外旋筋であり、小円筋とともに回旋筋腱板の後面を構成する。肩甲上神経支配。
✗ 3. 誤り
小円筋
小円筋は肩甲骨外側縁から起こり大結節に停止し、肩関節の「外旋」に働く。棘下筋と共同して外旋を行う。腋窩神経支配で、回旋筋腱板の一部。
✓ 4. 正しい
肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲下窩(肩甲骨前面)から起こり上腕骨「小結節」に停止する。肩関節の前面を通るため上腕の内旋に働き、回旋筋腱板の唯一の内旋筋である。肩甲下神経に支配される。回旋筋腱板の前面を構成し、肩関節の前方脱臼を防ぐ。
ポイント
  • 回旋筋腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)のうち、肩甲下筋のみが内旋筋。棘上筋は外転、棘下筋・小円筋は外旋。
  • 覚え方のコツ: 「SIT+Sub(SITS)」で回旋筋腱板を覚え、「Sub=肩甲下=小結節=内旋」、「SIT=棘上・棘下・小円=大結節=外転・外旋」と停止部と作用を結び付ける。
  • 関連知識: 肩甲下筋は腱板の前面、棘上筋は上面、棘下筋・小円筋は後面を補強する。停止部は肩甲下筋のみ小結節、他は大結節。
  • よくある間違い: 棘下筋・小円筋を内旋と誤る(外旋)/肩甲下筋を外旋と誤る(内旋)/棘上筋に回旋作用があると誤認する。
  • 臨床応用: 肩甲下筋腱断裂では内旋力低下と Lift-off test 陽性(背中の後ろで手を離す動作ができない)。前方脱臼のリスクが高まる。
比較表
回旋筋腱板筋 起始 停止 作用 支配神経
棘上筋 棘上窩 大結節 肩関節外転(始動) 肩甲上神経
棘下筋 棘下窩 大結節 肩関節外旋 肩甲上神経
小円筋 肩甲骨外側縁 大結節 肩関節外旋 腋窩神経
肩甲下筋 肩甲下窩 小結節 肩関節内旋 肩甲下神経
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題20|上腕の内旋に働く筋はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題20|上腕の内旋に働く筋はどれか。
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