学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0920

理由で解く 解剖学

Q0920 運動器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題37
問題
皮下に直接触れない筋はどれか。
選択肢
1 三角筋
2 大円筋
3 棘上筋
4 僧帽筋
解答
正解3(棘上筋)
解説
✗ 1. 誤り
三角筋
三角筋は肩から上腕上部にかけて「肩の丸み」をつくる筋で、皮下に直接位置し体表から容易に観察・触知できる。体格の良い人では前・中・後の3部に分かれた筋線維の方向まで判別できる。
✗ 2. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角から起こり上腕骨小結節稜に停止する筋で、腋窩の後壁下部に皮下から触知できる。広背筋とともに腋窩の後壁を構成し、腋窩を触診する際に確認できる筋である。
✓ 3. 正しい
棘上筋
棘上筋は肩甲骨棘上窩から起こり上腕骨大結節に停止するが、全長にわたって「僧帽筋上部線維の深層」に位置するため、皮下に直接触れることはできない。肩関節の外転を始動する筋で、肩峰下包・三角筋下包の深部を通り、肩峰の直下を走行する。回旋筋腱板の上部を構成し、肩甲上神経に支配される。加齢で腱板断裂の好発部位。
✗ 4. 誤り
僧帽筋
僧帽筋は背部最表層にあるひし形の扁平筋で、後頭部から胸椎・肩甲骨にかけて皮下に広がり、上部線維を「肩をすくめる」動作で容易に触知できる。副神経と第2〜4頸神経に支配される。
ポイント
  • 棘上筋は僧帽筋の深層にあるため皮下に直接触れない唯一の回旋筋腱板筋。三角筋・大円筋・僧帽筋は体表から触知可能。
  • 覚え方のコツ: 「肩甲骨上面の筋=僧帽筋が蓋をしている」=棘上筋は僧帽筋の下で見えない。ローテータカフの中で「棘下筋・小円筋・肩甲下筋」はそれぞれ触診可能だが、棘上筋だけは例外と覚える。
  • 関連知識: 棘下筋は棘下窩で三角筋後部・僧帽筋下部より下方にあり、触診可能。肩甲下筋は肩甲骨前面にあり、腋窩から内方深部に指を入れて触れる。
  • よくある間違い: 棘下筋と棘上筋を混同する(棘下筋は触れる)/大円筋と小円筋を混同する(小円筋は三角筋深部でやや触れにくい)。
  • 臨床応用: 棘上筋腱の石灰化性腱炎・断裂は五十肩・肩関節周囲炎の主要原因。肩峰下インピンジメント症候群で疼痛を生じる。触診は困難なため、外転時痛やドロップアームテストで評価する。
比較表
体表触知 位置関係
三角筋 可(肩の丸み) 最表層
大円筋 可(腋窩後壁下部) 広背筋とともに表層
棘上筋 不可 僧帽筋上部の深層
僧帽筋 可(背部最表層) 最表層
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題37|皮下に直接触れない筋はどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題37|皮下に直接触れない筋はどれか。
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