学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0886

理由で解く 解剖学

Q0886 運動器系

出典:あマ指 第15回(2007) 問題29
問題
副神経が支配する筋はどれか。
選択肢
1 僧帽筋
2 広背筋
3 菱形筋
4 肩甲挙筋
解答
正解1(僧帽筋)
解説
✓ 1. 正しい
僧帽筋
僧帽筋は副神経(第Ⅺ脳神経)を主な支配とし、これに第2〜4頸神経の前枝が加わる二重神経支配を受ける浅背筋である。副神経は頸静脈孔から頭蓋を出て、胸鎖乳突筋に筋枝を与えた後、後頸三角の浅層を斜めに横切り僧帽筋の内面に進入する。僧帽筋は外後頭隆起・項靱帯・第7頸椎および全胸椎の棘突起から起こり、鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘に停止する。上部・中部・下部に分けられ、上部は肩甲骨の挙上、中部は肩甲骨の内転、下部は肩甲骨の下制と下方回旋を行う。胸鎖乳突筋と僧帽筋は同じ筋母体から発生した兄弟筋とされる。
✗ 2. 誤り
広背筋
広背筋は胸背神経(C6〜8)支配で、腕神経叢の後神経束から分枝する。副神経支配ではない。
✗ 3. 誤り
菱形筋
菱形筋(小・大)は肩甲背神経(C5)支配で、腕神経叢の前枝から分枝する。副神経支配ではない。
✗ 4. 誤り
肩甲挙筋
肩甲挙筋は肩甲背神経(C5)支配で、菱形筋と同じ神経に支配される。副神経支配ではない。
ポイント
  • 副神経(第Ⅺ脳神経)は僧帽筋と胸鎖乳突筋の2筋のみを支配する運動性脳神経。
  • 覚え方のコツ: 副神経支配は「僧帽・胸鎖乳突」の2筋コンビ。浅背筋の他3筋(広背・菱形・肩甲挙)は腕神経叢系の胸背神経・肩甲背神経支配。
  • 関連知識: 副神経は延髄根(迷走神経に合流し喉頭筋支配)と脊髄根(頸髄副神経核→外枝として胸鎖乳突筋・僧帽筋支配)から成り、頸静脈孔を通って頭蓋外へ出る。
  • よくある間違い: 菱形筋・肩甲挙筋を副神経支配と誤る/僧帽筋を頸神経叢のみの支配と誤解。
  • 臨床応用: 頸部リンパ節郭清や生検時に副神経が損傷されると、僧帽筋麻痺による肩下垂・翼状肩甲、胸鎖乳突筋麻痺による頭部回旋障害を生じる。これを副神経麻痺・翼状肩甲(副神経型)という。
比較表
浅背筋 支配神経
僧帽筋 副神経+頸神経叢(C2〜4)
広背筋 胸背神経(C6〜8)
肩甲挙筋 肩甲背神経(C5)
小菱形筋・大菱形筋 肩甲背神経(C5)
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題29|副神経が支配する筋はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題29|副神経が支配する筋はどれか。
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