学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0872

理由で解く 解剖学

Q0872 運動器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題20
問題
上腕骨に停止する背筋はどれか。
選択肢
1 僧帽筋
2 広背筋
3 肩甲挙筋
4 大菱形筋
解答
正解2(広背筋)
解説
✗ 1. 誤り
僧帽筋
僧帽筋は鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘に停止する。鎖骨と肩甲骨には停止するが上腕骨には到達しない。副神経と第2〜4頸神経前枝に支配され、肩甲骨の運動を担う。
✓ 2. 正しい
広背筋
広背筋は第7胸椎以下の胸椎・腰椎・仙骨の棘突起、胸腰筋膜、腸骨稜、下位第9〜12肋骨、肩甲骨下角の広範な部位から起こり、上腕骨の小結節稜に停止する背部最大の板状筋である。胸背神経(C6〜C8)に支配され、肩関節の内転・内旋・伸展に働き、クロール泳・懸垂・咳嗽時に活動する。浅背筋4筋の中で唯一上腕骨に停止する筋であり、「背中から上腕へつながる筋=広背筋」と覚えておくとよい。
✗ 3. 誤り
肩甲挙筋
肩甲挙筋は第1〜4頸椎横突起から起こり、肩甲骨上角および内側縁上部に停止する。肩甲背神経(C5)に支配され、肩甲骨を上内方に引き上げる。後頸三角の底部を斜走する。
✗ 4. 誤り
大菱形筋
大菱形筋は第1〜4胸椎棘突起から起こり、肩甲骨内側縁(肩甲棘の下方)に停止する。肩甲背神経(C5)支配で、肩甲骨を内上方に引き、固定する作用をもつ。
ポイント
  • 広背筋は浅背筋の中で唯一上腕骨(小結節稜)に停止する。他の浅背筋は肩甲骨・鎖骨に停止する。
  • 覚え方のコツ: 浅背筋4筋の停止で「広背筋だけが上腕骨へ直行」と覚える。僧帽筋=鎖骨・肩甲棘、肩甲挙筋=肩甲骨上角、菱形筋=肩甲骨内側縁、広背筋=上腕骨小結節稜。
  • 関連知識: 上腕骨小結節稜に停止する3筋は「広背筋・大円筋・大胸筋(小結節稜に近い大結節稜)」。正確には広背筋・大円筋=小結節稜、大胸筋=大結節稜。
  • よくある間違い: 広背筋の停止を「小結節」と誤答する/「肩甲骨」と誤答する。「小結節稜(crest)」が正確な停止部位。
  • 臨床応用: 胸背神経麻痺では咳嗽力低下と上肢後方への引き(ズボンを引き上げる動作)不能を生じる。鍼灸では腸骨稜直上の広背筋縁を指標にトリガーポイント治療を行う。
比較表
浅背筋 起始 停止 支配神経
僧帽筋 外後頭隆起・項靱帯・棘突起 鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘 副神経・C2〜4
広背筋 T7以下棘突起・腸骨稜・下位肋骨 上腕骨小結節稜 胸背神経(C6〜8)
肩甲挙筋 C1〜4横突起 肩甲骨上角 肩甲背神経(C5)
大菱形筋 T1〜4棘突起 肩甲骨内側縁 肩甲背神経(C5)
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題20|上腕骨に停止する背筋はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題20|上腕骨に停止する背筋はどれか。
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