学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0860

理由で解く 解剖学

Q0860 運動器系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題16
問題
新生児の頭蓋において最後に閉鎖するのはどれか。
選択肢
1 大泉門
2 小泉門
3 前側頭泉門
4 後側頭泉門
解答
正解1(大泉門)
解説
✓ 1. 正しい
大泉門
大泉門は新生児の頭蓋冠で前頭骨(左右)と頭頂骨(左右)の4骨が出会う前頭部にできる菱形の大きな膜性部で、4つの泉門のうち最大である。生後しばらく皮膚の上から触知でき、閉鎖時期はおよそ生後1.5〜2歳で、他の泉門より最も遅い。大泉門の触察は、新生児の発育状態や頭蓋内圧の変化を知る臨床指標となる。膨隆は髄膜炎や頭蓋内圧亢進、陥凹は脱水の所見として有用である。
✗ 2. 誤り
小泉門
小泉門は頭頂骨(左右)と後頭骨の3骨の会合部、後頭部にできる三角形の膜性部である。閉鎖はおよそ生後3か月と4つの泉門のなかで最も早い。大泉門より閉鎖が早い点を問われることが多い。
✗ 3. 誤り
前側頭泉門
前側頭泉門(蝶形泉門)は前頭骨・頭頂骨・蝶形骨大翼・側頭骨の4骨が会合する側頭部(将来の翼点に相当)の膜性部で、およそ生後6か月で閉鎖する。大泉門より早く閉じる。
✗ 4. 誤り
後側頭泉門
後側頭泉門(乳突泉門)は頭頂骨・後頭骨・側頭骨の3骨が会合する後側頭部にできる膜性部で、およそ生後1歳前後で閉鎖する。大泉門より早く閉じる。
ポイント
  • 大泉門(前頭骨−頭頂骨間)は最大かつ閉鎖最遅(1.5〜2歳)、小泉門(頭頂骨−後頭骨間)は最速(約3か月)。
  • 覚え方のコツ: 「大=遅く(2歳)/小=早く(3か月)」と大小と時期を対比。泉門の位置は「前上=大/後上=小/前側方=蝶形(前側頭)/後側方=乳突(後側頭)」の4か所。
  • 関連知識: 頭蓋冠の扁平骨は膜内骨化で発生し、出生時は骨化が不完全で泉門が残る。産道通過時には泉門部で骨が重なり合って頭が産道の形に変形(骨重積)する。膜内骨化でつくられた骨は付加骨(被蓋骨)。
  • よくある間違い: 大泉門と小泉門の閉鎖時期を逆に覚える/泉門を3つしかないと思い込む/頭頂骨どうしの矢状縫合上に泉門があると誤認する(泉門は3骨以上の会合部のみ)。
  • 臨床応用: 大泉門の膨隆は頭蓋内圧亢進(髄膜炎・水頭症)の重要所見で、陥凹は脱水の目安となる。大泉門が3歳を過ぎても閉じない場合は甲状腺機能低下症(クレチン症)・ダウン症候群・くる病などを疑う。
比較表
泉門 位置 会合する骨 閉鎖時期
大泉門(前泉門) 前頭部正中 前頭骨(左右)・頭頂骨(左右) 菱形 約1.5〜2歳(最遅)
小泉門(後泉門) 後頭部正中 頭頂骨(左右)・後頭骨 三角形 約3か月(最早)
前側頭泉門(蝶形泉門) 側頭部前方(翼点) 前頭・頭頂・蝶形・側頭 不規則 約6か月
後側頭泉門(乳突泉門) 側頭部後方 頭頂・後頭・側頭 不規則 約1歳
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題16|新生児の頭蓋において最後に閉鎖するのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題16|新生児の頭蓋において最後に閉鎖するのはどれか。
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